農政・農協ニュース

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青年農業者の要望、農政改革に反映を

JA全青協は1月18日、JA全国青年大会終了後、「農業基盤拡大・自給率向上実現、青年農業者全国集会」を開催、主要政党の代表者とのパネルディスカッションを行い、農業基盤拡大、担い手支援、WTO交渉への対応を中心に各政党の考えを聞いた。   金野賢委員長 山形県農業協同組合 青年組織協議会 河野大介委員長 熊本県農協青壮年部協議会 ◆「やりがい」を支える政策を 竹村英久JA全青協会長は、基本計画の見直しに向けた議論が本格化するなか、「この一年は今後の農政を占う重要な年。現場の要望を訴えていく必要がある」として、(1)農業基盤拡大と自給率向上対策、(2)青年農業者など担い手支援策、(3)...

JA全青協は1月18日、JA全国青年大会終了後、「農業基盤拡大・自給率向上実現、青年農業者全国集会」を開催、主要政党の代表者とのパネルディスカッションを行い、農業基盤拡大、担い手支援、WTO交渉への対応を中心に各政党の考えを聞いた。

 

金野賢委員長 山形県農業協同組合青年組織協議会
金野賢委員長
山形県農業協同組合
青年組織協議会
河野大介委員長 熊本県農協青壮年部協議会
河野大介委員長
熊本県農協青壮年部協議会

◆「やりがい」を支える政策を

竹村英久JA全青協会長は、基本計画の見直しに向けた議論が本格化するなか、「この一年は今後の農政を占う重要な年。現場の要望を訴えていく必要がある」として、(1)農業基盤拡大と自給率向上対策、(2)青年農業者など担い手支援策、(3)WTO農業交渉に対する対応の3点についての各政党の考えを聞く場として開催したと説明。それを受けて山形県農業協同組合青年組織協議会の金野賢委員長と熊本県農協青壮年部協議会の河野大介委員長が現場からの要望を述べた。
金野委員長は輸入農産物の増大で「作っても作っても収入が上がらない。これで自給率向上はできるのか。やりがいを持って農業を続けていけるような政策を」と訴えた。また、野菜生産者の河野委員長は「低価格競争を強いられ、一方で生産資材価格が高騰しその支払いだけでも大変。若手がどんどん減っている。若い農業者に着目した新たな政策の方向を打ち出してほしい」などと強調した。

◆水田農業の再構築が課題

農業基盤強化・自給率向上対策について、自民党農業基本政策委員会の西川公也委員長は、20年度の農業予算は当初予算にくらべて4000億増やし7年ぶりに3兆円を超えたことを強調。自給率(カロリーベース)は50%をめざすとし、価格形成はは市場に任せ所得補てんを行う考えを示し「1%上げるのに1000億円いる。10%上げるのに1兆円いるが、納税者にどう理解してもらうか。日本農業と農村ににぎわいを取り戻す政策を打ち出す」と話した。
公明党農林水産部会の西博義部会長は同党も50%を目標にしているとし、飼料用、米粉用、バイオエタノール用など多用途に米を利用する政策が鍵を握るとして「水田による稲作をどれだけ広げられるかが課題」と話した。
民主党のネクスト農水大臣の筒井信孝氏は、10年後に50%、その10年後に60%をめざし「いずれは100%」が同党の掲げる目標とし「主食用以外の収量アップの技術開発が大きな手段となる」とした。また、同党の戸別所得補償政策については「生産コスト上昇に対応する仕組みをつくるもの」と説明、生産数量目標に従う生産者を対象にするが「米には(生産数量の)上限を設けるかがそれ以外(麦、大豆など)には目標を上回っても可とする」仕組みで、目標数量に従わない生産者は補償の対象とせず「自分の力でやっていただくということ」と説明した。
日本共産党農林水産部会の紙智子部会長はコスト割れの米生産について「価格保障と所得補償の組み合わせ」が同党の政策だと説明。コスト割れ部分の不足払いと生産量・販売量に関わりなく10aあたり1万円の所得補償を行うことで1俵あたり1.8万円が確保できるはずとし、9000億円程度で実現できる政策と話した。

◆WTOの市場主義自体が問題

WTO交渉について西川氏は「負けることは考えていない。主張すべきは主張していく」と強調。
現場で不安が広がっているMA米の拡大については、かりに受け入れなければならない事態になったときには国内市場に入る前に「外外貿易」で処理する方法や、国内に輸入される場合は全量エサ用とするなどの対応を考えていると話した。
同時に今後の世界人口の増大を考えると「いつまでも米国が食料を買ってくれと言うだろうか」と食料をめぐる情勢が変化していくはずと強調した。
西氏は農業の多面的機能の重要性を基本に交渉にあたるべきとし、「日本の立場は食料自給率の向上。これをすべての国際交渉の基本すべきではないか」と述べた。
民主党の政策に対しては竹村委員長が「自由化が前提という話も聞くが」と質した。これに対して筒井氏は「一次産業については他産業と同じように市場原理任せにはできないとの立場だ。自由貿易にしていいのは(地理・気候など)条件に差のないものでは。(農産物も自由化する)WTOの理念そのものを批判すべきだ」と話した。
また、原料原産地表示を確立すれば自給率向上にもつながることを強調した。
紙氏は、「WTO発足から15年。当時とは大きく状況が変わり今は国際社会に食料増産が求められている。(今の交渉)枠組みを変えていくよう日本が率先して働きかけるべきだ」などと話した。
集会では「行きすぎた市場原理に基づく農業へのいわれなき批判や的はずれの提言については、毅然とした態度で反論し、消費者・国民に対し正しい理解を求めていく活動も重要になる。青年組織の力を最大限発揮し行動し続ければ必ずや道は拓けると確信する」との特別決議を採択した。

(2009.02.20)