農政・農協ニュース

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1000を超える国産農畜産物に熱い視線が

−第3回JAグループ国産農畜産物商談会

量販店、小売店、生協、外食・中食産業、食品加工業、卸・問屋、商社、流通業者など多様な実需者を招き、実際の品物を見ながらの商談を通じてJAグループの農畜産物や加工品の取扱拡大や新たな販路開拓につなげること。商談などを通じて実需者のニーズの収集や情報交換を行うことなどを目的とする「JAグループ農畜産物商談会」が、2月24日、25日の2日間、東京・六本木ヒルズのアカデミーヒルズ40ホールで開催された。 商談会初日の24日は、永田正利JA全農経営管理委員会長が主催者であるJAグループを代表して挨拶。次いで来賓として近藤基彦農林水産副大臣が「JA経済事業改革の柱である販売力強化」にこの商談会がつながる...

量販店、小売店、生協、外食・中食産業、食品加工業、卸・問屋、商社、流通業者など多様な実需者を招き、実際の品物を見ながらの商談を通じてJAグループの農畜産物や加工品の取扱拡大や新たな販路開拓につなげること。商談などを通じて実需者のニーズの収集や情報交換を行うことなどを目的とする「JAグループ農畜産物商談会」が、2月24日、25日の2日間、東京・六本木ヒルズのアカデミーヒルズ40ホールで開催された。
商談会初日の24日は、永田正利JA全農経営管理委員会長が主催者であるJAグループを代表して挨拶。次いで来賓として近藤基彦農林水産副大臣が「JA経済事業改革の柱である販売力強化」にこの商談会がつながることを期待すると挨拶した。
その後、主催者であるJA全農、農林中金、JA全中、JA共済連の代表と近藤副大臣、山下日本生協連会長や出展者代表がテープカットして開会された。

◆86団体・法人が132のブースに自慢の品を出品

3回目を迎えるた今年は北は北海道から南は沖縄までのJAや全農県本部・経済連、農業関連企業など86団体・法人が132のブースに自慢の農畜産物を出展した。
出展された品目は米・肉・果実・野菜の素材から一次加工品などが幅広品揃えされ、新商品を含めて1000を超える品目が紹介されていた。
品目別では、加工品も含めて野菜と畜肉関係が多いという印象だが、海老イモ、マッシュルームスープ、黒豚ベーコンなど珍しい商品も出展され、来場者の注目を集めていた。
また、昨年4月にJAと全農が連携して地域農業をコーディネートするために「地域農業の担い手に出向くJA担当者」として誕生した「TAC」(Team for Agricultural Coordination)が、「あります!隠れた逸品」と銘打って地元の自慢の逸品を紹介する「TACの店」を初めて出店したことも注目された。
TACの店に出展したのは、JA大井川、JA京都にのくに、JA丹波ひかみ、JA勝栄、JAいわみ中央、JA板野郡、JAにじ、JA島原雲仙の8JA。
「いまの時期は生鮮の野菜とかはないから」と年間8000tの出荷量を誇る柿による柿チップ(乾燥さえた柿)や柿酢・柿ドレッシングそして福岡県のブランドイチゴ「あまおう」100%使用の「あまおうワイン」を出品していたJAにじのブースでは、珍しさをあって、試食・試飲後に次々と質問が担当者にされるなど、TACの店はそれぞれ大きな人垣ができていた。

◆昨年よりも「良い感触」

東国原知事で何かと話題になる宮崎経済連のブースでは、宮崎牛から野菜・果実まで幅広い品揃えをしていたが、中堅の量販店バイヤーからマンゴや金柑への関心が高く、今後に期待がもてるのではないかと担当者は感想を語ってくれた。
ブースの広さを昨年の倍にしたというJAグループ兵庫では、「3回目なので担当者も接客の仕方とかが分かってきて話がスムースにできるようになった」こともあって、サンプルや見積もりの要請がかなりあり、「昨年よりも感触がいい」という。
多種多品目の野菜を揃え、「その季節にあった野菜が1年を通して楽しめる」というJAとぴあ浜松は、さまざまなこうした催しに出展して、家庭用だけではなく加工・業務用需要にも応える努力をしているが、今回も多種多品目の野菜を出品し注目を集めていた。
出展ブースだけではなく、「園芸産地プレゼンテーションステージ」も設置され、2日間にわたって全国の園芸産地が順番に登場して、それぞれの県産地を分かりやすく紹介するトークショーも評判が良かった。

◆高い国産への関心を持続させることが大事

また同時開催セミナーも合計11セッション開催され、それぞれのテーマでの講演に熱心に聞き入っていた。
開催された2日間とも雨模様で天候には恵まれなかったが、東京を360度見渡せる会場には両日とも多くの人が来場し、25日の昼過ぎに取材に訪れたときには、通路を真っ直ぐ歩くことができないほど人であふれ、熱心に各ブースで商品を吟味し、積極的に質問する姿が数多くみられるなど、昨年よりも熱気があるように感じられた。
25日の午後4時過ぎ、閉会した会場からは、サンプルをいっぱい抱えた人たちが、思い思いに感想を語りながら帰る姿が見られ、実需者の国産農畜産物への関心の高さを実感させられた。この熱気をどう持続させていくかが、これからのJAグループの課題だといえるのではないだろうか。

(2009.02.26)