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世界各国で農業生産増大が必要

‐JA全中、海外農業団体と共同宣言

  JA全中の茂木会長、冨士常務は3月16日から19日にかけて海外で開かれた農業団体会合に出席、世界の食料、農業情勢やWTO交渉のあり方などについて意見交換した。会議では共同宣言が採択された。  16日からタイで「協力のためのアジア農業者グループ第9回年次会合」が開かれアジア8か国の農業団体首脳が出席した。 共同宣言では▽肥料・燃料等の価格が高騰しアジア地域の農業者に大きな影響が出ている、▽経済危機の教訓をふまえ農業分野を国、地域、国際レベルで経済・開発政策の戦略分野に位置づけるべき、▽国内生産を増大させるため小規模農業者に明確な指針を示すべきなどの内容が盛り込まれた。&n...

  JA全中の茂木会長、冨士常務は3月16日から19日にかけて海外で開かれた農業団体会合に出席、世界の食料、農業情勢やWTO交渉のあり方などについて意見交換した。会議では共同宣言が採択された。
  16日からタイで「協力のためのアジア農業者グループ第9回年次会合」が開かれアジア8か国の農業団体首脳が出席した。
共同宣言では肥料・燃料等の価格が高騰しアジア地域の農業者に大きな影響が出ている、経済危機の教訓をふまえ農業分野を国、地域、国際レベルで経済・開発政策の戦略分野に位置づけるべき、国内生産を増大させるため小規模農業者に明確な指針を示すべきなどの内容が盛り込まれた。
  18日からはローマで「G8農業団体首脳会合」が開かれた。
  各国からは農業には適切な規制が必要。全面自由化の考えは投機目的のみ。WTOはマンデートを見直すべき(フランス)、これまで農業者は大企業の犠牲になってきたが、環境に貢献する循環型産業は農業のみ。環境、水をめぐって国家間対立するなか、農業者保護を国の政策に位置づけるべき(ドイツ)、途上国の声を一層反映させるべき(イタリア)、食料危機の教訓をふまえ国際レベルで価格安定基金を創設するなど国際協調を行うべき、非貿易的関心事項に配慮する必要はあるが輸出制限などに対処するため貿易交渉の継続は必要(イギリス)などの意見のほか、米国からはドーハ交渉は各国の許容範囲を超えた議論となっている。世界人口の増大に対応するには食料増産が必要との発言があった。
  茂木会長は「経済危機を教訓とし、市場での政府の適切な役割発揮や新たな規制システムの再構築を通じ、社会全体のあり方を転換していく必要がある」と強調した。
  共同宣言では、国内生産の増大に向けて各国政府は明確な指針を示し農業者にインセンティブを与えることが重要、食料を単純に他の商品と同様に考えてはならない、規制のない市場の力は農業者に受け入れ難いコストをもたらす、多様な農業が共存する必要があり貿易自由化は漸進的アプローチがとられるべき、などの点を強調している。
  ローマで開催されたG8農業団体首脳会合は、イタリアで開催されるG8サミットの関連会議との位置づけ。共同宣言はイタリア農相に手渡され、4月のG8農相会合と7月のG8サミットに提出される。

(2009.03.25)