農政・農協ニュース

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喫緊の農政課題は若い担い手づくり 現場意識と国政にズレ

‐(社)農業開発研修センター調査

  「現場が求めている喫緊の農政課題は何か」との質問に対して「地域農業の将来を担う青年層の就農支援策」という回答が最多となるなど、規模拡大によるコス トダウンに目を向けている国の農政とは大きな落差を見せる調査結果を(社)農業開発研修センター(会長理事=藤谷築次京都大学名誉教授)がまとめ、3月 23日発表した。  市町村・JA・地域生協のトップ層を対象とした農業・農政に関する意識調査で、国民合意の農政を目指し毎年実施。第10回調査結果は昨年末に第1次発表をし、今回は第2次発表。 ◆JAも生協も……   農政課題ではJAトップ層の67%強が...

  「現場が求めている喫緊の農政課題は何か」との質問に対して「地域農業の将来を担う青年層の就農支援策」という回答が最多となるなど、規模拡大によるコス トダウンに目を向けている国の農政とは大きな落差を見せる調査結果を(社)農業開発研修センター(会長理事=藤谷築次京都大学名誉教授)がまとめ、3月 23日発表した。
  市町村・JA・地域生協のトップ層を対象とした農業・農政に関する意識調査で、国民合意の農政を目指し毎年実施。第10回調査結果は昨年末に第1次発表をし、今回は第2次発表。

◆JAも生協も……

  農政課題ではJAトップ層の67%強が国の就農支援策を求めた。
  地域生協のトップ層も67%弱が同じ課題を最重要とした。市町村のトップ層は50%弱と比較的低いものの、とにかく三者とも同じ課題を第1位に挙げ、し かも群を抜いた高率で若い担い手づくりに対する国の支援を強く求めるという結果になった。地帯別に見てもこれを最重要とする意識は変わらない。
  第2位は三者三様でJAは「高齢農業者をサポートする作業受委託組織の結成と拡充」が34%強で最多。市町村は「地域特産品(加工品を含む)の開発」が 約41%。生協は「人材育成と地域活性化を視野に入れた多様な交流・ネットワークづくり支援」が49%弱。
  JAの場合、3位以下は(3)地産地消の拠点となる農産物直売所の新増設・拡充[4]集落営農の組織化と推進(4)(同率)水田農業の総合的振興を可能にす る地域独自の支援制度の創設と拡充(5)人材育成などを視野に入れたネットワークづくり支援(生協はこれを2位に挙げた)(6)地域特産品の開発(市町村 はこれが2位)などとなっている。

◆規模よりも人を

  国の農政は依然として規模拡大に目を向けているが「現場では、それよりも人対策、そして売れるものづくりに目が向いている、その落差が興味を引く」と報告 書はコメントしている。 日本型直接支払い制度である「品目横断的経営安定対策」は実施1年後に「市町村特認」による加入条件の緩和が図られたが、この制 度改正についての意識調査もした。
  結果は「高く評価したい」と「ある程度評価したい」の評価派がJAで55%強、市町村で42%強となり、「余り評価できない」「全く評価できない」の非評価派を引き離した。
  しかし非評価派に「どちらともいえない」と「評価のしようがない」を加えると、市町村では55%と、評価派をしのいだ。
  これについては「全体としては好意的だが、そもそも担い手の加入要件などは現場が決めるべきであり、当然の改正がなされただけという、やや冷めた見方が結構あったということにもなる」とのコメントがつけられた。

◆3割高なら許容

  国産農産物は外国産より割高だが、消費者はそれをどこまで容認できるかという調査もした。
  生産者サイド(JA)が求める“この程度は高く買ってほしい”という割高期待水準と、消費者サイド(生協)の“この程度までならやむを得ない”という許容水準を1割高から3倍高の5段階に分けて尋ねた。
  結果は、生産者と消費者が折り合える価格水準は3割弱となった。生鮮野菜と精肉で質問したが、どちらもほぼ同じ結果だった。

  平成16年の前回調査では4割強だったから、両者の折り合い点は1割強落ち込んだことになる。深刻な不況下で消費者の財布のひもはきつくなり、それだけ生産コスト引き下げ努力の要求が強くなっていると受け止められる。
  このほか「食料自給率向上に向けた農家の関心・期待」なども調査した。

  調査は、市町村とJAについては全国を10ブロックに区分し、ブロックごとに50%を無作為抽出した。地域生協については全組合を対象とした。調査票は1422を送り、391を回収した。
  同センターは地方自治体やJAなどの農業団体を主な会員とする公益法人。農政提案や調査研究、現場指導者の育成が主な業務。

(2009.03.27)