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シイタケの原木確保で里山再生へ -生協、JA生産部会、軽米町、森林組合が茨城と岩手で連携

-生協、JA生産部会、軽米町、森林組合が茨城と岩手で連携

 生シイタケづくりの原木不足を想定した茨城県のJAつくば市・谷田部菌茸部会と、里山再生を図る岩手県の二戸地方森林組合が提携して新たな原木取引が今年から始まった。両者を結びつけたのは関東など1都6県で商品の個配をしているパルシステム生協連合会だ。

 すでに森林組合は1月に原木(ナラ)1万本を谷田部菌茸部会に納入した。来年は3万本を供給する約束となっている。
 パルシステムは、栄養を蓄積した広葉樹の原木で栽培した生シイタケのおいしさにこだわり、谷田部を指定産地としている。
 年々需要が伸びているため、これをまかなう生産には将来46万本の原木が必要になると予測した。しかし現在の原木調達先である福島県下の森林では、継続的供給が見通せない。そこでパルシステムは10年後の安定調達を見据え、岩手県最北端の軽米町の里山を紹介した。同地域ではすでに資源循環型の農畜産物を仕入れる活動に取り組んでいたからだ。
 谷田部の生産者たちは昨年から里山に入って現地調査をし、町や森林組合、(株)軽米町産業開発などと協議を重ね、先ごろ、初年度の取引を終了した。
 軽米町の木炭生産量は日本一だが、需要減とともに手入れされない山林が広がっているため森林組合は原木伐採が里山再生につながると期待している。
 将来46万本の供給に向けて植林と伐採を進めれば20年後には立派な里山が1300ha再生できることになるとの予測計算もある。

(2009.05.19)