農政・農協ニュース

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フェアトレード商品を販売 ASEAN農村ふれあいプラザ

 東京国際フォーラム(東京・丸の内)の「ごはんミュージアム」内にある「ASEAN農村プラザ」は各国の農家が作る農村特産品を展示しているが、このほど来場者アンケートで人気のあった特産品の試験販売も始める。

ASEAN農村プラザでの伝統芸能紹介◆アジア農村への理解を

 同プラザはJAグループと国際機関ASEAN事務局が共同で運営している展示施設。各国の農家や農業者グループが作る農村特産品を展示し、日本の消費者への理解を広め、各国農業者の能力向上も図ろうと設置された。 6月21日にはベトナムとフィリピンからの特産品展示を始めた。両国の竹細工品など約70アイテムを並べるととともに、食文化や伝統文化を紹介するイベントも行われた。
 展示とともに、来場者にアンケート協力を依頼し人気のあった農村特産品を現地から仕入れて販売していく。販売することで各国農業者の技能の向上に役立てるのが狙い。

◆協同組合とNGO

NGOパクパク・ナティン この日のイベントでは東京外大フィリピン民族舞踊団によるお祭りで披露される踊りやバンブーダンスの講演もあった。同大の舞踊団はさまざまなイベントに招かれて講演しているという。「フィリピンには陽気な人たちが多い。明るい面をもっと知ってほしい」と学生たちは話していた。
 また、ベトナム料理のシェフ、フィンバンタンさんによるライスペーパーを使った春巻きや炒めものの料理教室と試食会も。春巻きは野菜たっぷりで、炒めものは「ごはんに合う」と参加者は感心していた。
 そのほかフェアトレードに取り組む市民団体も販売展を開いた。
 フィリピンのピナツボ火山噴火で支援グループを立ち上げたというNGOパクパク・ナティン(私たちのつばさ)は「お金をあげる支援ではなくフェアトレードと教育に取り組もう」と活動している。
 現地の教会やNGOなどを通じて農村工芸品を中心に日本のイベントなどで販売してきた。事務局の遠藤康子さんは「農家にきちんと対価が支払われている協同組合組織から仕入れるように努めている」という。
 販売品のなかには、フィリピンの草木染め、ティラナク織りで作った箸入れと、日本の小浜市の伝統的な箸のセットも。「日本の伝統的な工芸品の生産者も苦労している。日本のなかのフェアトレードも必要ではないでしょうか」と遠藤さんは話していた。

(2009.06.29)