農政・農協ニュース

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イネ原料ガソリン「グリーンガソリン」販売開始  JA全農

 新潟市太郎代のコープケミカル(株)新潟工場内で建設が進められていた、イネ原料のバイオエタノール製造プラントが完成した。7月17日からは待望の「グリーンガソリン」の販売・供給が始まった。

給油式でテープカットを行う出席者ら      「グリーンガソリン」は、イネ原料バイオエタノールを3%未満混入したガソリンだ。愛称には地球環境をグリーン化するという意味も込められている。
 イネ原料バイオエタノールの製造・供給事業は、農林水産省・平成19年度「バイオ燃料地域利用モデル実証事業」の採択を受け、JAグループが新潟県下の各自治体の協力を得て取り組んできた。原料イネの栽培からエタノールの製造、エタノール混合ガソリンの販売までを一貫して行う、世界初の事業だ。
 待ち望まれた「グリーンガソリン」の給油式は7月17日、新潟市のJA全農JASS-PORT(ジャスポート)亀田で行った。
 給油式では主催者を代表し、萬歳章JA全農経営管理委員(JA全農にいがた運営委員会会長)が「この事業は、水田の有効活用を目的としたもので、環境対策としても期待できる。待望のグリーンガソリンの販売が始まった」とあいさつした。


(写真)
販売開始を記念してテープカット(左から)泉田知事、近藤副大臣、萬歳経営管理委員、秋田俊毅JA全農常務


◆年間3万3000キロリットルを製造

給油する萬歳氏 来賓では近藤基彦農水副大臣が「全農、全中をはじめ、何よりも原料イネ生産に携わった生産者の皆さんには、大変な努力を頂いた。エネルギー資源に乏しい我が国であり、これからもあらゆるバイオマス技術を活用していきたい」と祝辞を述べた。
 泉田裕彦新潟県知事は「米からのバイオマスは、新潟の新しい姿を現したもの。耕作放棄地の活用、地域の活性化など良い面が多い。この取り組みが益々進められることを祈念する」と語った。
 原料イネは、新潟県内の8JAが平成20年度に300haで栽培した。バイオエタノールの製造量は年間1000klで、、混合ガソリン(グリーンガソリン)の製造量は年間3万3000kl。
 JA全農新潟石油基地供給エリア内のガソリンスタンドJA-SS19カ所で販売される。価格は通常ガソリンと同じ。


(写真)
給油する萬歳氏

(2009.07.22)