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相続税の遺産課税方式に反対声明  JA全中

 JA全中とJA都市農業対策委員会は8月12日、相続税の遺産課税方式に反対する声明を出した。

 遺産取得課税方式とは、実際に取得した相続財産に累進課税をする方式。取得した遺産割合が多ければそれだけ相続税は高くなるため、たとえば相続人3人で土地を相続する場合、分割の比率によって相続税の総額が異なる。
 現行制度では、相続税の総額は一定で、それを相続した遺産の割合で按分した額がそれぞれの相続人の税額となる。
 かりに遺産取得課税方式に変更されれば、相続税の総額を抑えるには均等に分割したほうが有利になるため、これが農地税制にも適用されると均分相続が続出、農地の細分化によって農業経営の継承そのものが困難になりかねない。
 この方式は昨年政府も検討を提唱したが、JAグループは農業経営に重大な影響が出るとして反対、その結果、移行を取りやめることにした。
 しかし、民主党の政策集「インデックス2009」に遺産課税方式への転換を検討することが盛り込まれていることから「税率や基礎控除、農業者や中小事業者の事業継承に関する取り扱いは不透明であるが」としつつも、遺産取得課税方式になれば課税強化となることは間違いなく、農業者、中小企業者の事業資産そのものを承継できなくなるとして「断じて認めることはできない」とした。

(2009.08.14)