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LPガス事業でアストモスエネルギー社と提携 JA全農

 JA全農は、液化石油ガス(LPガス)事業で、元売として国内はもとより世界的にも最大であるアストモスエネルギー(株)(以下、AE)と提携について検討を開始することで合意したことを29日に明らかにした。

 LPガス業界は、オール電化を進める電気や都市ガスなど競合エネルギーとの競争が激化すること、今後人口が減少することなど、需要減少が予想されるなかで、取扱量の維持・拡大を図っていくためには、物流コストを抑え安定的に供給していく体制を整備していくことが課題となっている。そのため元売の再編などが進んできている。
 全農とAEの提携も、LPガス輸入業務および輸入基地運営に関して提携することで、元売事業の基盤強化や事業価値の向上をはかることことを目的としている。具体的には、LPガス輸入船の共同運航、基地の相互利用によるスケールメリットやフレキシビリティを活かすことができるため、より一層の安定供給や供給ソース多様化に寄与していくとしている。
 両者はすでに、08年4月から、全農の輸入業務を担う船舶「JAサンシャイン」をAEの船団(AE所有は20隻)のなかでオペレーションするなど、輸入業務について提携を行っている。
 また、来年4月からは、元売会社同士でそれぞれの輸入基地を利用しあうジョイントバーター業務をAEに集約し、全農坂出輸入基地における共同運営化、北海道・苫小牧から長崎まで全国9カ所あるAE輸入基地の相互利用をすすめ両者一体となった輸入基地運営効率化をはかることで、物流コストの低減などを図っていくことにしている。
 AEは当初、出光興産の子会社としてスタートしたが、現在は出光興産(株)51%、三菱商事(株)49%出資(資本金100億円)のLPガスの輸入・仕入・販売および船舶の所有・賃貸・売買を主な事業内容としている。08年度売上高は8388億円。従業員339名となっている。
 この提携で両者を合わせた主な事業概況は以下のようになる。
 取扱数量850万t(全農50万t、AE800万t)、輸入量330万t(同20万t、310万t)、国内販売量430万t(同50万t、380万t)、外航船21隻(同1隻、20隻)輸入基地10カ所(同1ヵ所、9カ所)。

(2009.10.30)