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消費者理解も課題「環境保全型農業推進シンポジウム」  JA全中

 JA全中は環境保全型農業への理解と普及拡大を図ろうと「環境保全型農業推進シンポジウム」を日経カンファレンスルーム(東京・大手町)で開いた。

環境保全型農業推進シンポジウム 

 全国環境保全型農業推進会議の松本聰会長は開会のあいさつで「エコファーマーの数は今年3月で18万6000件に達した。環境保全型農業は順調に思われがちだがさまざまな問題がある。エコファーマーの全国組織による研修会も今年初めて実施されたばかりだ。せっかく手塩に掛けて栽培に取り組む生産者がいても、安いものを求める消費動向が立ちはだかっている。消費者の人にも環境保全型農業に高い意識を持ってもらいことも課題」と話した。
 続いてあいさつした農水省生産局農業環境対策課の別所智博課長は「環境への視野は広く多様化している。農業分野も大きな排出ではないが温室効果ガスが発生するため減らしていく努力が必要。環境保全型農業も多くの視点が求められると思う。この会議を有効な場として活用し、努力や取り組みを進めていってほしい」と述べた。
 シンポジウムでは愛知県豊橋市で無農薬レモンを栽培する河合果樹園の河合浩樹さんと、稲作農家全員でブランド米づくりに励むJAあまるめブランド米振興会の事例発表があった。両者とも、今春第14回環境保全型農業推進コンクールの農林水大臣賞を受賞している。
 基調講演では微生物防除剤協議会の高原吉幸氏が「IPMと微生物防除剤体系について」をテーマに微生物防除剤の役割や戦略、課題などについて発表し、科学ライターの松永和紀さんが「環境保全型農業とマスメディア報道の課題」をテーマに農薬や肥料のイメージやメディアの問題点、適正な情報収集について話した。

(2009.12.04)