農政・農協ニュース

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「薬剤抵抗性を考える」で新春シンポ  日植防

農薬規制強化に業界はどう対応するのか

 日本植物防疫協会は1月19日、東京都千代田区の日本教育会館・一橋ホールで、新春恒例のシンポジウムを開催した。テーマは、「薬剤抵抗性を考える」。

 農薬規制が進む欧州では、使用できる農薬が減少するなか、薬剤抵抗性の発達に対する懸念が増大しており、わが国でも、今後の農薬規制強化などによって問題が顕在化してくるのではないかと懸念されている。
 冒頭、日植防の岩本毅理事長は、「薬剤抵抗性に関する内外の最新情報を紹介し、今後の展望を探っていく」と、本シンポの開催目的を明らかにした。
 講演は、次の6題で行われている。
 ◇殺虫剤抵抗性とその対策をめぐる国際動向(日本農薬・廣岡卓氏)
 ◇殺菌剤耐性とその対策をめぐる国際動向(農業環境技術研究所・石井英夫氏)
 ◇生産現場における薬剤抵抗性問題と対策(奈良県病害虫防除所・國本佳範氏)
 ◇除草剤抵抗性と対策(日本植物調節剤研究協会・横山昌雄氏)
 ◇薬剤抵抗性を考慮した農薬開発と管理(日本曹達・水野晶己氏)
 ◇我が国における薬剤抵抗性対策研究(農業生物資源研究所・野田博明氏)
 講演では、「抵抗性対策の国際動向を参考にし、国内においても、IPM防除(総合的病害虫・雑草管理)の重要な構成要素である化学的防除方法の多様性を維持していくことが望まれる」(廣岡氏)、「薬剤抵抗性の研究には、ゲノム情報が有用で、ゲノム情報が整備されているかどうかが研究の進展に大きく影響する。今後、ゲノム情報とともに抵抗性問題に関連した解析ツールの開発も重要な課題」(野田氏)などと発表された。

(2010.01.25)