農政・農協ニュース

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穀物在庫は危機再来の緩衝材  FAOのニュースレターから

 FAО(国連食糧農業機関)のニュースレター2月号は食料価格の動きやバナナについて次のような報告を載せている。

【食料価格】
 世界的な食料価格は再び上昇傾向にあり、昨年11月の価格指数は08年9月以降では最高値となっているが、食料危機時の08年6月のピーク時に比べればまだ21%低く、市場状況は当時と異なっている。
 現在は世界の穀物在庫が安定した水準にあり、09年の穀物生産は08年比で減少するものの07年比では4%の増加が見込まれるとした。 ただし為替レートや石油価格、低金利といったマクロ経済の動きも、投資家が商品市場に投入する原因だから今後とも警戒が必要である。
 つまり価格は上昇中だが「穀物在庫が危機再来の緩衝材」になっているとのことだ。

 【バナナと危機】
 バナナはほかの農産物よりも世界的な経済危機に強いとの報告書 をFAОが発表した。 先進国の09年のバナナ輸入量は3〜5%減っているが、途上国では中国を動力源に2・5%増えたと推定されている。
 要因には、果物が消費者にとって必需品であることや、もともと支出に占める割合が低いことがあげられる。 人口や収入の伸びなどとともにバナナ需要は今後数10年は伸び続けるとみられる。

(2010.02.19)