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政務官「緩やかな構造政策」を強調 企画部会、担い手像を議論

 新たな基本計画を議論している審議会企画部会の第19回会合が2月12日に開かれ、担い手像について意見交換した。出席した佐々木隆博政務官は戸別所得補償制度の導入によって「多様な担い手」で農業を維持する姿を強調したが、委員からは「一定の規模と経営感覚を持った人」を中心に育成すべきとの意見も出て見解が対立した。

 佐々木政務官は、ドイツでは家族農業を主体に切り替えたとして、「われわれも似たような思いで多様な担い手といっている。ヨーロッパのファームインは兼業農家の勧め。戸別所得補償制度が本格実施されれば、ゆるやかな構造政策になる。強制的に担い手に集中し集落の人を減らすのがよいのか疑問」などと述べた。
 これに対し委員からは「兼業農家も含めて多様な人が関わっているのは認めるが、将来の日本農業を牽引していくのは兼業農家か。ある一定の規模と経営感覚を持った人が中心になるべき。担い手を育てないことには先細りになるのでは」との異論があった。

◆家族経営か、法人か

 また、農業で雇用を創出しているのは法人経営であり家族経営にはその余裕はないとして、雇用による農業者育成の観点からも経営感覚に優れた経営を根幹にすべきだとの意見もあった。
 佐々木政務官はこれらに対して「家族経営でもやっていける政策にする。家族経営が成り立てば法人経営がやれないはずはない」と指摘。また、戸別所得補償制度は全国一律の支援だが、低コスト、高品質、高収量の経営をすれば利益が多く出るとして構造変動は進むから「担い手に施策を集中させ農家を減らすことを政策的に進めていくのか。急激に担い手対策をやるべきかどうか、もっと議論を」と注文した。

◆適正な農産物価格を

 そのほかの意見では「兼業、専業という軸で分けることが適当かどうか。ハードコアで農業を担っていく人たちと、兼業や他のビジネスから農業に関わっていく人、と分けるべき。競争力のある人をベースにし、困っている人は社会政策で考えるべきで無理な農業政策で支えるのはコストが膨大でやるべきではない」などがあった。
 JA全中の茂木会長は、現場での戸別所得補償制度への評価は半々だとしつつ「米は水管理等があるので大規模だけではやっていけず、中小農家がいなくなった場合に大規模農家にしわ寄せがいくことが懸念される」と述べたほか、基本計画では担い手を育てるために農業所得の増大目標の設定が必要であることや、そのために「補償ではなくプライドの持てる農業にすべき。農産物の適正価格の設定が必要だ」と強調した。
 佐々木政務官は16日の会見で多様な担い手の範囲などについて、与党の政策会議でも議論しその意見を企画部会に示しながら検討していく意向を示した。 新基本計画は審議会の答申を受けて3月末にも閣議決定される予定だが、担い手像については「(23年度からの)戸別所得補償制度の本格実施までに一定の方向を出していく」とも話している。

(2010.02.19)