農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

GM作物、1年で900万ha増。栽培面積1億3400万haに

 バイテク情報普及会は2月26日、都内でセミナーを開催し、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)会長のクライブ・ジェームズ博士が「09年世界の遺伝子組み換え作物の商業栽培に関する最新状況」を報告した。

最新のGM栽培を報告するISAAAのクライブ・ジェームズ博士 それによると、09年の世界における遺伝子組み換え(GM)作物の栽培面積は、08年より900万ha(7%)増加して、1億3400万haと過去最高に達した。これはGM作物が栽培され始めた1996年と比べれると80倍となり「GM作物は近代農業史においてもっとも急速に普及した農業技術といえる」とジェームズ博士は語った。
 GM作物を栽培しているのは25カ国で1400万人となっているが、国別では米国6400万ha、次いで08年より560万ha増えたブラジルが2140万haとなり2位に浮上、アルゼンチン2130万ha、インド840万ha、カナダ820万ha、中国370万haなどとなっている。ブラジル・インド・中国など途上国で増えていることが特徴だ。
09年世界の遺伝子組み換え作物の商業栽培に関する最新状況を報告 また、中国で害虫抵抗性イネを認可したこと、乾燥耐性トウモロコシが12年に米国で、17年にはサハラ以南のアフリカで導入予定であること。さらにスマートスタックスと呼ばれる8つの異なる害虫抵抗性と除草剤抵抗性をもつための遺伝子を併せ持つ新種のBtトウモロコシが認可されることなどから、ISAAAでは「第2期成長・開発、始まる」とし、GM作物にとって「新たな10年が始まった」と位置づけている。
 食料ではないが、GM「青いバラ」の商業栽培が日本で開始されてたことも09年のトピックスとして紹介されている。
 なお、詳細の情報についてはシリーズ「遺伝子組み換え農産物を考える」第3回(3月20日ころ)で紹介する予定にしている。

(写真)
上:最新のGM栽培を報告するISAAAのクライブ・ジェームズ博士
下:09年世界の遺伝子組み換え作物の商業栽培に関する最新状況を報告

(2010.03.01)