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米中関係を特集 全中の「国際農業・食料レター」3月号

 JA全中は「国際農業・食料レター」の3月号で米国と中国の関係に焦点を当てた。題名は「世界経済・貿易における米中の存在と国際交渉に与える影響について」。

 米国の貿易赤字は3分の1が対中収支(WTО統計、08年)であり、他の主要国に比べて極端に高いなどのデータを示し、貿易不均衡に対する中国への苛立ちと不満が米国内に鬱積しているとした。
 オバマ大統領は1月下旬の一般教書演説で5年後までに輸出量を倍増させるためWTОドーハ・ラウンドなどを通じて新興国へのアクセス拡大を獲得していくと宣言したが、これは対中貿易不均衡と貿易赤字膨張の解消を狙った策とした。
 また国内で気候変動対策法案を進展させる条件として中国などの貿易相手国を世界的な枠組みに参加させることを業界団体から突きつけられている。
 さらに11月には中間選挙をひかえ、米国としては決して「安易な妥協」を許さない立場に追い込まれているーと結んだ。
 これに対して中国はWTО閣僚会合やCОP15では米国に歩み寄る姿勢を一切見せず、両問題の解決は困難な状況とした。
 そしてドーハ・ラウンドでは、中国などの新興国と米国の実質的な2国間協議が開催され、多国間協議以外の場で具体的な進展が図られるかどうかが鍵となると指摘した。

(2010.03.15)