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医療保障の仕組みを新「医療共済」に一本化―「分かりやすさ」と「保障の充実」はかる  JA共済連

 JA共済連(今尾和實理事長)は、4月1日から、医療保障の仕組みを新しい「医療共済」に一本化する。これにともない、全入院特約、災害入院特約、通院特約、定期医療共済「せるふけあ」および健康祝金支払特則付定期医療共済「がんばるけあ」は廃止される。

◆「ベストケア」を改訂

 近年、共済・保険に対する生存保障とくに医療保障充実のニーズが高まるなか、JA共済はそうしたニーズに応えるためにさまざまな仕組みを開発し提供してきた。しかしそのために仕組みが複雑になり、「推進者が説明しやすく、組合員・利用者が安心して加入できる」「分かりやすい仕組体系」をという要望と、組合員にとって最大の保障課題である「医療保障の充実」に応えることが今回の仕組改訂の最大の狙いだといえる。
 具体的には従来の医療共済「ベストケア」の仕組みを改訂し、保障内容の類似・重複した複数の医療共済仕組みを統合し、新「医療共済」に一本化したということだ。
 新「医療共済」の特長は、第1に図のように「契約者のニーズに応じた保障設計が可能になった」ということだ。
 「共済期間」や「1回の入院の支払限度日数」という保障の骨格部分に加え、「共済掛金の払込期間」「先進医療共済金(新設)の有無」「入院見舞金(新設)の有無」「がん重点保障特則の有無」といったオプション部分についても、ニーズに応じて選択できる。
 2つ目は、手術保障の保障対象を、従来の「別表対象の手術」から「公的医療保険制度の対象となる手術・放射線治療」へと変更したことで分かりやすさ向上するとともに、保障範囲も手術実施件数ベースで概ね従来の2倍に拡大するとJA共済連ではみている。

新「医療共済」のイメージ◆先進医療保障も提供

 また、公的医療保険制度の対象外である、先進医療(※)に対する保障(先進医療共済金は通算支払限度1000万円、共済掛金は月に数十円程度)の提供も開始され、高額な費用のかかる先進医療を受ける場合でも、安心して治療に専念することができるようになるなど、「保障内容が充実し、分かりやすくなった」だといえる。
 そのほか、▽告知書扱いで加入できる年齢および入院日額の限度額引き上げ▽既契約のうち入院保障(特約)部分のみを新『医療共済』に変更できる▽死亡保障をなくし医療保障に特化したシンプルな仕組みにすることで共済掛金を抑え加入しやすくしたなど「加入しやすい」仕組みを特長としてあげることができる。
 こうした仕組改訂で共済金の支払事由を簡素化することで、共済金の支払を迅速・適正に行ったり、請求漏れやトラブルを防ぐことにもなるのではないだろうか。
(※)先進医療とは、大学病院などで実施される先端医療のうち、厚労大臣の承認を受けたものを指す。先進医療の技術料については全額が自己負担(高額療養費の対象外)。

(2010.03.30)