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10km圏内の20万頭殺処分へ 政府の口蹄疫対策本部が決める

 政府は5月19日、第2回口蹄疫対策会合を開き新たな防疫対策を決めた。

記者に囲み取材を受ける赤松大臣 移動制限区域である10km圏内のすべての牛・豚を対象に殺処分を前提としてワクチン接種行う。
 18日の牛豚等疾病小委員会でワクチン接種によるウイルス増殖は抑えられると提言したことから、現在、擬似患畜となっていない家畜も含めワクチンを接種し、速やかに殺処分と埋却を行う防疫措置をとることにした。ただし、えびの市は発生例が少ないことなどからこの措置を導入しない。対象となるのは川南町が中心で牛5万頭、豚15万5000頭。
 接種した家畜については早期殺処分のための殺処分奨励金、経営再開支援金を交付する。
 また、10〜20km圏内を緩衝地帯とするため、この区域内の牛1万6000頭、豚1万5000頭を対象に早期出荷を行う。その後、一定期間内の家畜導入を自粛する場合、早期出荷による価値の低減分と経営再開支援金を交付する。
 そのほか、手当て金の支払いを迅速化するため、標準評価額を用いた概算払いを申請書類提出後、直ちに行うことも決めた。
 また、評価額と手当て金の差額(5分の1部分)について、宮崎県が見舞金として対象全農家に支払い、それを国が特別交付税として全額負担する。
 殺処分後の埋却地の確保が現地では課題となっているが、この日の対策本部では県立農業大学校を利用するなどの対策も決めた。
 そのほか、殺処分を行う獣医師を50名増員して180名体制とするほか、埋却を促進するための自衛隊員の増員、家畜の扱いに慣れている畜産農家、経験者を雇用して殺処分処理を進めることなども決めた。

(写真)記者に囲み取材を受ける赤松大臣

(2010.05.19)