農政・農協ニュース

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【特集・日本の明日を考える】シリーズ・2012年国際協同組合年に向けて 協同組合が創る社会を  第1回

 世界的な金融危機と景気の減退を受け市場原理主義を見直す動きが高まるなか、協同組合の価値や役割が再評価されている。国連は昨年12月の総会で2012年を「国際協同組合年」とすることを宣言し各国政府に社会経済への協同組合の貢献について認識を高めその発展に努めるよう求めた。世界的に協同組合理念を評価する動きが高まったきたといえる。
 その一方、わが国では行政刷新会議(鳩山総理議長)のもとに設置された規制・制度改革分科会では農協に対する独占禁止法の適用除外の見直しや、信用・共済事業の分離、さらには一人一票制の見直しなどが検討課題とされるなど、農協のみならず協同組合の根幹に関わる議論がなされている。こうした議論に反論するとともに「協同組合が創る社会」をめざし、本紙では協同組合の価値とこれからのあり方を考えるシリーズを企画した。1回めは生活クラブ生協連合会の加藤好一会長。加藤会長は今こそ、協同組合セクターを社会に位置づけるために協同組合基本法を模索すべきだと提起する。

協同組合セクターの連携強化を

加藤好一・生活クラブ生協連会長

◆くすぶり続ける、協同を否定する論調

生活クラブ生協連 加藤好一会長 5月11日の日本農業新聞は一面でこう報じた。「独禁法適用除外見直し 協同組合否定に JAなど14団体 共同声明で反論」。このところ、協同組合に対する「攻撃」とも言いたくなるような動きが目立っているが、この件はかねてよりくすぶりつづけている最大の「攻撃」の一つである。当然のことながら私たち生活クラブ生協連合会も、この問題を容認できないとの立場から、この共同声明に名を連ねることにした。
 ここではこの問題に立ち入らないが、協同組合は本来、市場原理主義的なものに対する民衆の自主的・自発的な生活防衛のための対抗運動として出発し、固有の存在感をもってその社会的使命を果たすことを目的とする。今日においても、協同組合はその可能性を大いに潜在させているはずである。しかしわが国においては、あとで述べるように協同組合は、「内憂外患」とも言えるような深刻な事態に陥っている・・・。

(続きは「シリーズ・2012年国際協同組合年に向けて 協同組合が創る社会を  第1回」から)

(2010.05.31)