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「今、一番の課題は口蹄疫」  山田正彦農水相が就任会見

 山田正彦農水相は6月9日、省内で就任会見を開いた。冒頭で「付加価値を高めて食べていけるような、地域が活性化できるような第一次産業をめざして取り組みたい」と抱負を語り、口蹄疫対策や戸別所得補償制度の来年度からの本格実施にむけた展望を述べた。

山田正彦農水相 大臣として最大の課題は「口蹄疫を抑えること」とし、「依然、感染拡大のリスクは高いが、ワクチン接種の効果はでてきたのではないかと思う」と述べた。自身に代わって農水副大臣に就任した篠原孝衆議院議員を、現地での対策本部長として10日から派遣した。
 戸別所得補償制度は来年度から1兆円の予算規模での本格実施をするとし、畑作、畜酪、水産などにも広げていく考えを示した。財源は省内のムダ削減をさらに徹底して捻出する、とした。今年度から始まったコメのモデル事業の加入件数は5月末で55万件ほどだが、「これまで(生産調整に)参加してこなかった地域でも動きが出てきたことは大きい」と一定の成果をあげていると述べた。
 21年産米の在庫や米価下落については、「戸別所得補償で需給が締まるので、今の段階では心配しなくてはいけないような状況ではない。米価が下がったから、コメを政府が買い入れようという気持ちはない」と述べた。
 EPA・FTAについては「率先しなければいけないが、農業農村に影響を与えない限りでやっていきたい」と述べた。


【山田農水相略歴】
やまだ・まさひこ 1942年長崎県生まれ、66年早大第一法学部卒、72年山田正彦綜合法律事務所開設、93年衆議院議員初当選、2009年農水副大臣。衆議院5期当選。

(2010.06.10)