農政・農協ニュース

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大切なことは・・・農協が元気だからこそ地域を守れる  萬代宣雄氏(JAいずも組合長)インタビュー

 地域に根ざした農協をめざすこと、そして農協人は常に教育・学習に励まなければならないこと。それらを基本にいかにボトム・アップ路線を提起し追求していくべきか。これが萬代組合長と対談して強烈なインパクトを与えられたことである。その思想の上に立って新世紀JA研究会は作られ、全国に拡める行脚を続けられておられる。
 萬代組合長は農協組合長としては珍しい経歴を持っている。専業農家として大規模養豚をやるかたわらさまざまな起業を行い、市会議員として政治の道を歩み、そしていま農協組合長となり、全国をまたにかけて活動しているが、原点はJAいずもにある。これまで他流試合の連続の中で新しい発想と構想を磨き上げて来られたのだと思う。農協人よ、おおいに他流試合をして地域興しに励もうではないか。  (今村奈良臣)

4月5日、笑味ちゃんバッジを市内の幼稚園・保育園に贈呈した。最後列中央が萬代組合長。(写真)
4月5日、笑味ちゃんバッジを市内の幼稚園・保育園に贈呈した。最後列中央が萬代組合長。

起業家、政治家、農協人の経験を
生かすボトム・アップ路線

今村 萬代さんは、農協に入る前には長らく市議会議員を務めていましたね。
萬代 昭和50年に32歳で初当選してから7期28年務めました。また、29歳からは自動車の整備・販売、保育園、運送業などの会社経営を始め、農村でできる業種を3人の仲間と協力しあいながらそれぞれに起業しました。なぜ起業なのか。昔ながらの地域を改革しようと思った時、県会議員一人位は出せる組織を作らなければならないと考えていました。それを実現する為に起業し、飲み代稼ぎと票拡大の為、日夜がんばったものです。さらに、家族経営で水田3ヘクタールと300頭の養豚を営み、JAを拠り所としながら農業経営にも一生懸命取り組みました。
今村 起業家、政治家、農協人と3つの道を歩んできた基盤には、営農があったんですね。組合長になってからも集落座談会へ参加されて熱心に議論しておられますが、地域や集落などをしっかり考えている一方で、新世紀JA研究会を設立し全国を巻き込んだ議論をされましたね。その発想の飛躍はどこにあるんでしょうか。
萬代 農協は地域に根ざした組織です。地域を活性化させる為には、なんとしても農協が元気でなければなりません。組合員をいかに仲間にして共有意識を持ってもらえるか、ということが大事です。しかし単協だけではどうにもならない部分があります。その際、県連を通して全国連に話がいくわけですが、その過程にもどかしさを感じていました・・・。

(続きは 【シリーズ・JAは地域の生命線】第6回 JAいずも 萬代宣雄代表理事組合長

(2010.06.11)