農政・農協ニュース

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パン食優位で米消費減る  JA総合研究所の米の消費行動調査

 (社)JA総合研究所は今年3月に行った「2010年 米の消費行動に関する調査」結果をまとめ、米の消費は年々減少傾向にある―と発表した。

◆欠食の増加も原因?

 アンケートは全国の主婦と単身者の男女を対象に行い、1553人から回答を得た。
 1週間のうち毎日3食、何を主食にしたかを聞いたところ、「米」と答えた人は調査を始めた08年から年々減少している。米を食べた1週間の3食合計数(7日×3食=21回)は前年の12.66回から12.50回に減った。
 一方で「欠食」数は前年比0.25回増の1.31回と年々増加し、米以外を主食とする食数も減少している。その中でもパン食のみは増加している。手間や時間がかからないというメリットからか、特に朝食での比重が高い。

1週間の平均食数(属性別)
 
◆節約志向高まる

 1年前と比較して家庭での炊飯回数を聞いたところ、主婦では「増えた」と答えた人が「減った」と答えた人を上回った。その理由として、「外食を減らし内食が増えたため」との答えがもっとも多かった。
 米の購入先は「スーパー・量販店」と答えた人がもっとも多いが、「親戚などから無償で入手」と答えた人が前年から2.4ポイントも増加した。
 購入する米の価格も前年より低価格志向に移行している。もっとも多いのは5kg「1700円〜2000円未満」の27.6%で、前年(27.9%)とほぼ横ばいだが、1500円未満と答えた人は前年の9.0%から14.9%に増えた。
 逆に2000円〜2200円未満は15.7%から10.9%に減り、価格が上がるごとに購入比率は前年よりも下っている。購入時にこだわる点についても「価格帯」との回答が多かった。
 
◆消費量 価格と関係せず

 米の価格が値上がりした場合の対応を聞いた調査では、値上がり額200円までは「ランクを下げる」、「量を控える」などの行動をとる人が前年より多かった。
 一方、値下がりした際の反応は100円以下、201〜300円の値下がり額で行動をとる人は前年より少なく、値上がり時より反応の鈍さがうかがえる。101〜200円までと301円以上の値下がりには前年より敏感な反応を示したが「量を増やす」のではなく「ランクを上げる」傾向が強いことがわかった。

米価格が上下した際の行動調査

(2010.06.18)