農政・農協ニュース

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セミナー『南高梅と金芽米の知られざる機能に迫る』開催  トーヨーライス

 トーヨーライスは、和歌山県の協力を得て、同県みなべ町との共催で7月6日、東京国際フォーラム「ごはんミュージアム」でセミナー『南高梅と金芽米の知られざる機能に迫る』を開催した。

 和歌山県みなべ町は梅干しの最高級品「南高梅」の誕生地で「一目百万、香り十里」と称される梅の一大産地である。
 また、みなべ町は全国の市町村の中で唯一「梅課」という専門担当課が有ることでも知られている。
 セミナーに先立ち、みなべ町梅課の林課長が「南高梅は、栽培から三次加工まで産地で行っている」と南高梅をPRした。
 甲南女子大学の奥田和子名誉教授は「金芽米の継続摂取による健康効果」を説明した。21名の女子学生が3カ月間にわたり金芽米を継続的に食べ、健康面を中心に体調変化などを報告、それを集計したものだ。金芽米の摂取量は1人当たり3カ月間で12.7kgだが、これは、国民の平均的米消費量と同じだ。
 それによると、顕著な美肌効果があり、便秘の解消やニキビのも改善もみられたという。57%の人が体調が良くなったと報告している。引き続き金芽米を食べたいか、との問いにほとんどの人が「はい」と回答している。奥田名誉教授は「主食が果たす生理的役割は大きい」と報告をまとめた。
 和歌山県立医科大学の宇都宮洋才准教授は「梅干しには、ピロリ菌や胃ガンの発生を抑制する効果もある。インフルエンザウイルスにも有効」だと解説した。また、2010年の米国生理学会で報告した金芽米の優れた栄養価の分析から、動脈硬化の予防にも効果があり、「長寿社会は、コメを中心とした日本型食生活にある」と語った。
 金芽米が持つ優れた栄養特性は健康の維持をはじめ、新たな医薬開発の可能性までも秘めているようだ。

          研究報告する奥田名誉教授   宇都宮准教授

 
(写真)研究報告する奥田名誉教授(左)・宇都宮准教授

(2010.07.09)