農政・農協ニュース

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口蹄疫の脅威を警告  FAO

 日本と韓国で口蹄疫が発生していることを受けてFAO(国連食糧農業機関)は国際的な監視強化を呼びかけている。FAO日本事務所が発行しているニュースレター(6月号)が伝えている。

 それによるとFAOの専門家は、公式に口蹄疫発生がないとされた国での発生は過去9年間できわめてまれなことだとして「非常に懸念すべき事態」だと指摘しているという。
 同時に2001年に口蹄疫が南アフリカ、英国、欧州へと大陸を超えて広がったことから各国の予防策と対応能力の見直しを改めて呼びかけている。2001年の発生時には英国だけでも推定600万頭以上の牛や羊が殺処分され、損失は120億ドルにのぼったとされる。

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 そのほか、同レターではパナマで開催されたFAOラテンアメリカ・カリブ海地域の総会の模様も紹介。
 この地域では1996年から2006年にかけて飢餓人口の大幅削減に成功したが、07年の世界的な食料危機、経済危機の影響で後退し始めているという。総会では農村の貧困と食料輸入への依存から脱するために小規模農家を支援するプログラムについて議論された。FAOは食料価格高騰対策として国産主要食料市場の拡大や小規模農家の生産性向上、リスク管理メカニズムの実施を提案した。
 また、この地域では小規模農家と大規模農家の格差が非常に大きく、農業の近代化から取り残された小規模農家の生活改善を農村開発に取り込むようFAOは奨励している。

(2010.07.16)