農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

小麦の品種開発に期待 日本の産官学機関も染色体DNA解析を開始

 コムギ国際共同ゲノムプロジェクトに、日本が共同体(コンソーシアム)をつくって参加したと農業生物資源研究所などが8月12日発表した。

 国際分担により、複雑な構成を持つコムギゲノムの解析が加速され、不良環境に強いコムギの育種と品質改良などが期待される。
 パンコムギのゲノムは21の染色体からなっているが、日本はその中の6B染色体を分担する。この染色体には、製パン性に優れた形質などを持つ遺伝子が含まれていると考えられている。
 国際プロジェクトはDNA情報の取得を目指す。日本の産官学コンソーシアムはその一環で▽同研究所▽横浜市立大学木原生物学研究所▽京都大学大学院農学研究科▽日清製粉▽チェコ実験植物学研究所で組織し、DNA解析を開始した。
 コムギは世界で第2位の生産量を持つ重要作物。人口増加による増産の要求は強く、収穫量の飛躍的な改良が期待されている。
 6B染色体のゲノム情報が解読されれば、そこに存在する小麦粉の粘性に関わる種子貯蔵タンパク質遺伝子などが詳細に解析できる。 さらに国際分担の責任を果たすことにより他の染色体のゲノム情報が得られる。

(2010.08.18)