農政・農協ニュース

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【新中央会会長に聞く】組織運動は「自ら燃えて人を燃やす」こと  林正照氏(JA愛媛中央会)

 全国のJAグループ県中央会は6月から7月にかけて総会を開き、再任を除くと今年は7県で中央会の新会長が誕生した(既報)。7名の新会長に、▽県下の農業・農村・JAの現状と課題、▽県JAグループのトップとして特に力を入れたいこと、についてインタビューを行った。
 農業産出額は昭和59年の2108億円をピークに1300億円にまで落ち込んでいる。農業所得の減少で後継者が不足、耕作放棄地は全国ワースト5位になった。なかでも果樹は手間がかかるためそもそも栽培面積には限界がある・・・

林 正照 氏林 正照 氏
JA愛媛中央会会長

 農業産出額は昭和59年の2108億円をピークに1300億円にまで落ち込んでいる。農業所得の減少で後継者が不足、耕作放棄地は全国ワースト5位になった。なかでも果樹は手間がかかるためそもそも栽培面積には限界があるものだが、それが価格下落の打撃で樹園地もいよいよ荒れてきた。
 課題山積だが地域の農地・農業を守って少しでも所得向上に結びつけなければならない。


◆地域農業振興のためのセンターを充実

 JAグループ愛媛は昨年の県大会で基本方針「新たな協同の絆で組織・事業・地域を活性化させよう」を決議。柱は(1)食料自給力強化・農業所得向上による愛媛農業の復権、(2)JAの総合性発揮による地域の活性化、(3)適正目標利益達成に向けた事業方式の再構築の3つで総力を挙げて取り組んでいく。
 具体的には、地域農業振興に向けた「地域農業マネージメントセンター」の設置や充実だ。農用地の利用調整、新規就農支援、振興作物の検討など地域農業の将来方向について、行政や商工会や生協、あるいは漁協なども含めた新たな連携づくりを行う。
 地域によってはJA自らが農作業の受託組織設置や経営受託まで必要になってきている。一方、担い手ががんばっている地域では経営分析などに加え生産・販売から購買・信用までJAの総合力を発揮した支援が大事でそのための出向く営農指導対策も大切だ。
 また、担い手の経営安定のためには、共同販売に加えて契約栽培、直売所での販売、さらに加工販売面による支援も必要になる。たとえば、かんきつでは県・行政・JAが食品企業とともに新商品を開発中だ。こうした6次産業化、農商工連携も力を入れる。
 同時に地域では鳥獣害対策も大きな課題となっている。


◆食農教育で消費者との連携強化

 消費者との連携強化もいっそう重要で、トレーサビリティの徹底、原料原産地表示などの仕組みづくりと、ファーマーズマーケットでの地産地消、アグリスクールなどの食農教育などに取り組む。
 とくに食農教育は農業理解促進だけでなく、JAの組織基盤づくり、あるいは若手JA職員の教育の場としても考えられる。こうした教育文化活動は、いわば「地域を肥やしていく」こと。いい土壌になればいいJA経営ができる。
 中央会としては、たとえば今の戸別所得補償が中山間地域の本県農業を本当に支えるのかどうかなど農政課題への対応も大事だが、同時にJA間の協力促進にも力を入れたい。JAは経営体であり運動体。夢の持てる農業を実現するための運動を組合員は求めている。
 JA職員の組織活動の原点は「自ら燃えて人を燃やす」ことが大切だと考えている。

 

【Profile】はやし・まさてる
 昭和15年宇和島市生まれ。産能大学卒。37年西三浦農協入組。生活部長、金融部長、参事、平成5年専務理事などを経て平成9年JAえひめ南常務理事。13年代表理事専務。16年代表理事組合長。19年県信連経営管理委員会会長。

(2010.08.19)