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農村で新産業創出へ 環境技術革命戦略(骨子)を策定  農水省

 農水省は8月中旬、「緑と水の環境技術革命総合戦略(骨子)」を策定した。

 戦略の重点分野については事業化に向けた工程表を作る。今、これに当たっての一般の意見を広く募集中。締め切りは9月30日。
 緑と水の環境技術革命は、農林水産物や、バイオマス、太陽光・水力・風力など再生可能エネルギーの活用による新たな業態の創出を農山漁村に促す農林漁業の6次産業化だ。
 「食料・農業・農村基本計画」の工程表では2020年までに6兆円規模の新産業を創出することを目指す。
 重点分野の特徴では例えば、藻の利用がある。海藻などの藻類は他の作物に比べて繁殖速度が圧倒的に早い。また、日本には技術的蓄積がある。これを燃料、飼料、水質浄化など多様な分野で利用していく戦略だ。
 用途開拓ではバイオマス以外の再生可能エネルギーを総合的に利用していく戦略とか、生物機能の高度利用などがある。
 事業機会の創出では世界的に需要が増えて天然資源の枯渇が心配なクロマグロなどの完全養殖技術の導入がある。
 また農林水産物の高度生産管理システム導入があり、情報技術、発光ダイオードなどの人工光源、ロボット技術、ヒートポンプなど「工」の技術を「農」に活用することで周年計画生産を可能にし、露地・施設栽培を補完する戦略もある。
 さらに高度な温度管理技術による青果物などの鮮度保持により、需給バランスの安定化、物流網の効率化、輸出拡大などに貢献しうる超長期鮮度保持技術の導入も重点だ。

(2010.08.20)