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下期にかけて停滞感強まる 農中総研が改訂経済見通し

 「年度下期にかけて景気停滞感が強まる」との2010〜11年度改訂経済見通しを農林中金総合研究所が8月19日発表した。

 成長率見通しは2010年度が2%、11年度が2.2%(前回予測は2.6%)と下方修正した。 2009年春からわが国経済は持ち直し基調だったが、ここに来て米国、中国などの景気減速観測の浮上、また急激な円高進行などに伴って、景気牽引役だった輸出が減速する懸念が強まっている。
 さらにはエコカー減税や家電エコポイント制など耐久消費財への刺激策も息切れして、民間消費が失速しており、国内景気は足踏み状態に入った可能性があるーとした。
 世界経済全体が再び悪化し始めるといった「二番底リスク」の可能性は大きくないと思われるが、米中経済などを考慮すれば生産・輸出の足踏みを通じ、国内景気は下期にかけて停滞感が強まるだろうーと見通した。
 景気は昨年4月の底入れ後、持ち直し基調で来た。ただしマクロ的な需給バランスは依然として大幅に崩れたままで、雇用・設備投資の回復に遅れがみられるほか、物価下落状態が続いている。
 物価見通しは、原油価格の落ち着きや、内外景気の回復ペース鈍化により需給ギャップの解消時期が後ずれしているとみられることから、当面はマイルドながらも下落状態が続くと予想した。
 また、円高についてはそれなりのメリットもあるが、現在のわが国経済が置かれている状況を踏まえれば「円高進行は絶対に回避しなくてはならない」と強調した。

(2010.08.30)