農政・農協ニュース

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テレビを見て農業へ関心を パルシステムが学生を調査

 パルシステム生協連は農業・畜産業・漁業に興味がある学生の意識調査を行い、その結果をこのほど公表した。

◆「鉄腕!ダッシュ」が第1位に

 この調査は、「農業・畜産業・漁業やその周辺産業に関わる仕事や職業に興味がある学生1000名(12歳〜22歳)を対象に、モバイルリサーチ(携帯電話によるインターネットリサーチ)により、8月24日〜27日の4日間に実施された。
 その結果、これらの産業に興味を持つにあたり影響をうけたものを複数回答で聞いたところ、「テレビ番組」が51.6%と最も多く、続いて「実際の体験」35%、「親」27.5%、「学校の授業」25.5%となった。
 「テレビ番組」と答えた516名に具体的な番組名を聞く(自由回答)と「ザ!鉄腕!ダッシュ!!」がもっとも多く57名、「中居正弘の金曜日のスマたちへ」34名、「いきなり!黄金伝説」20名となっている。「アニメ・漫画」に影響を受けた136名に具体的なタイトルを聞くと農業大学を舞台にした「もやしもん」が49名ともっとも多かった。
 農業、畜産業、漁業のうちどれに興味があるかという質問に、70%700名が農業と回答、畜産業は100名、漁業は200名だった。

◆農業に必要なのは体力と粘り

 農業に興味がある700名に、この「仕事に就く場合に必要だと思うものは」と聞いたところ「体力」83%、「粘り強さ」70%と続き3番目が「専門知識・専門技術」だった。畜産業でも「体力」85%が1位で次いで「専門知識・専門技術」66%、「粘り強さ」65%だった。漁業でも「体力」「粘り強さ」が1、2位だったが、3位が「経験」他と際立った違いをみせている。
 「興味がある産業に就職したいか」という質問に、農業に興味がある700名のうち6.4%が「就職したい」と回答。「どちらかといえば就職したい」が19.7%、合わせて26.1%が農業への就くことを考えていた。畜産業100名では「したい」11%、「どちらかといえば」14%、合計25%が畜産を仕事にすることを考えていた。

◆自然が好きだから農業を

 この人たちに就職したい理由を聞いたところ(複数回答)、農業(183名)では「自然が好きだから」82.5%と圧倒的に多かった。次いで「美味しいものを消費者に届けたいから」39.9%、「達成感を味わいたいから」35.5%となっている。また「実家が農業を営んでいる」という後継者も24.6%いた。
 畜産業では「動物が好きだから」88%、「自然が好きだから」80%で、その他の回答は20%以下だった。
 農業に興味がある人が育てて見たい品目は男性(223名)ではトップは「米」72.2%。女性(477名)では「トマト」61.4%となっている。それ以外では、男性では、トマト、ジャガイモが、女性では米、ジャガイモ、イチゴ、トウモロコシが多かった。
 調査年齢が12〜22歳で中学・高校生が44.3%も占めていることもあって、全体的にはテレビやアニメ・漫画の影響が強くイメージ先行という感じがする。ちなみに「こだわりの米作りが似合う有名人」は里田まい、島田紳助、松岡修造、高木美保、所ジョージ、TOKIOの山口達也と城島茂、タモリ、石塚英彦、阿部寛の順となっている。

(2010.09.17)