農政・農協ニュース

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農作業ウェアをおしゃれに工夫 「ファームファッションコンテスト表彰式」  JA全農

 JA全農は文化女子大学と農作業ウェアの共同開発に取り組んでいる。6月末には学生が千葉県で実際に農作業を体験。企画の第2弾として実施した「ファームファッションコンテスト」で選ばれた優秀作品の表彰式を9月17日、JAビルで開いた。

nous1009210601.jpg 同大学では「ファームファッションコンテスト」として農作業ウェアのデザインを8月末まで学生に募集した。コンテストには合計287点の応募があった。
 9月7日に同大学、全農クミックス、JA全農によって審査会を開き、最優秀賞をはじめ受賞8作品を決定した。優れたアイデア作品が多かったため、当初予定していた受賞作品は5作品から8作品に変更された。
 表彰式でJA全農生活部の織田展男部長は「実際に農業の現場を見て大変さや厳しさを体験したことが活かされた力作ぞろいだった。多くの応募をしてもらい、ファームファッションに目を向けてもらえたことで農業やJAのPRになった。事業のひとつである快適な農作業への支援として新たな取り組みがスタートできた」とあいさつした。
 「おしゃれで、機能性を兼ね備え、だれでも楽しく農作業できるようなデザイン」をコンセプトに審査され、みごと最優秀賞を受賞したのは機能デザインコース4年の菅藤千鶴さん。菅藤さんは自身のアルバイト体験をデザインのヒントに。商品の品出しを行う際、長時間しゃがむ姿勢に苦痛を感じていたことから、ひざにクッションパットを取り付けられるなど、ひざやかかとへの負担を軽減する工夫を盛り込んだ。
最優秀賞を受賞しの菅藤さん 菅藤さんは「学校で学んだ知識と6月に参加した農作業体験、自分のアルバイト体験から生まれたデザイン。きっと自分と同じ辛さを農作業する人も感じているはずだと思い考えた。この賞を励みに研究・実験を重ねていきたい」と喜びを述べた。
 優秀賞は機能デザインコース3年の松尾理英さん。腰の負担を軽減させるためのサポートベルトや首に冷却剤を取り付けられるウェアデザインを考案した。
 松尾さんは「農業に関わったことがなく、農業服というものがどんなものなのかわからなかったが、実際に体験してみてどういう服が求められているのかを考えた。今後も農業に携わっていけるような学校生活を送りたい」と話した。
 その他の受賞者は次の通り。
【佳作賞】
▽機能デザインコース 今井麻美子さん
▽クリエイティブデザインコース 本間優希さん
▽クリエイティブデザインコース 渡辺瑠璃さん
【準佳作賞】
▽クリエイティブデザインコース 渋谷めいさん
▽クリエイティブデザインコース 鈴木麻莉子さん
▽クリエイティブデザインコース 南【ヨン】志さん
 機能デザインコースの学生は6月28日、千葉県のJA山武郡市管内でナシやナスのほ場見学や収穫体験、生産者との意見交換会に参加した。応募作品には学生たちが現場で体験した作業や生産者の声からヒントを得て取り入れられたアイデアも多く見られた。
 今後は学生のデザインを取り入れたウェアの製品化実現に向け、取り組みを進めていく。

 

(写真)
上:「ファームファッションコンテスト」に受賞した学生
下:最優秀賞を受賞しの菅藤さん

(関連記事:6月28日の農業研修会のもよう

(2010.09.21)