農政・農協ニュース

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JA遠州中央青年部が優勝  JA全青協・手作り料理コンテスト2010

 JA全青協は、盟友自らが地元食材を利用した郷土色豊かな料理をつくることで消費拡大・農業振興につなげようと、「手作り料理コンテスト2010」を開いた。11月12日には全国で予選を勝ち抜いた6組織が、東京・有楽町の東京国際フォーラム内ごはんミュージアムで決勝戦に臨んだ。

全出場者と審査委員(写真)全出場者と審査委員

◆生産者のイメージアップに貢献

真剣なまなざしで調理する参加者 コンテストは昨年に続いて2回目の開催。今年は、宮崎県で起きた口蹄疫や、夏の猛暑による作物被害などの影響から、昨年より若干応募件数が減ったものの、より創意工夫を凝らしたレベルの高い料理が集まった。
 全青協の大西雅彦会長は、「2年目ということで全体的にレベルアップした。自分の経営作物と県の特産物をうまく盛り込んだ作品が集まった」と評価。「自分がつくった作物をおいしく提供することで、生産者のイメージアップにつながっていると思う。一般参加者にも応援をもらって、非常に励まされた」とコンテストの影響などを述べた。
多くの一般観覧者も試食・採点に参加 今年のテーマは「大切な人のために作るお弁当」。地元食材の活用度合い、味・見た目・栄養バランスなどのほか、誰のために作ったお弁当か、その人への思いやメッセージが伝わるか、なども審査基準に含まれた。
 調理時間1時間30分以内、材料費1人1000円以内(通常の量販店などでの販売価格を目安として)などの条件の中で、青年部ならではの豪快さとアイディアに充ちたお弁当が勢ぞろい。今年は、ごはんミュージアムを訪れた一般観覧者にも試食が振舞われ、80人ほどが採点にも参加したため、非常ににぎやかな決勝大会となった。

(写真)
上:真剣なまなざしで調理する参加者
下:多くの一般観覧者も試食・採点に参加


◆“地域食”として、ぜひ商品化を!

 優勝したのは、JA遠州中央青年部委員会(静岡県)の「北遠みのり弁当」。
 緑茶をまぶした「緑茶ごはん」や「ヤマメの甘露煮」など地元食材をふんだんに使い、「北遠(静岡県西部、遠州北部)のよさを知ってもらいたい」(代表の木下さん)との思いでつくったお弁当。農作業とともにパティシエとしても活躍する両親に、いつまでも元気で長生きしてほしいという願いを込めた。特に「しいたけの肉詰め」は、試食会でも「一番おいしい」と大人気だった。
優勝した「北遠みのり弁当」を手にするJA遠州中央青年部の木下孝一(左)さんと堀内孝子さん 審査委員長の帽田順子さん(管理栄養士)は、優勝した作品について「もっとも地元への愛情を感じた」と評価した。審査員の宮田博美さん(家の光協会『ちゃぐりん』編集部編集長)は「生産者ならではの、地元食材をアピールしたい気持ちが伝わってきた」と全体の講評を述べ、野村一正さん(農林中金総研顧問)は「地域の食として、販売につなげるような工夫をして世間に広めてほしい」と全参加者にエールを贈った。
 優勝作品は、東京・大手町のJAビル4階「農業・農村ギャラリー」で12月上旬に期間・数量限定で販売する予定。昨年の優勝作品は、3日間で各日20食が販売され、いずれも即完売と大好評だった。

(写真)
優勝した「北遠みのり弁当」を手にするJA遠州中央青年部の木下孝一(左)さんと堀内孝子さん。


★コンテスト結果
【最優秀賞】 (賞金5万円)
JA遠州中央青年部委員会(静岡県)「北遠みのり弁当」
【全青協会長賞】
▽会津いいで青年部(福島県)「祖母からの味ご飯と豚のしょうが焼き」
▽JA横浜青壮年部(神奈川県)「はま菜ちゃんロール弁当」
▽JA丹波ささやま青年部(兵庫県)「一家 暖 らん♪」
▽JA岡山青壮年部中央支部(岡山県)「幸せの黄ニラすき焼き弁当」
▽神埼郡農協青壮年部(佐賀県)「佐賀んとばっかい弁当」

(2010.11.15)