農政・農協ニュース

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「これまでの成果をムダにする」と批判  中山間地域等直接支払制度の見直し

 中山間地域フォーラムは11月12日、2011年度予算の概算要求の中で農水省が示した「中山間地域等直接支払制度の見直し」に対して是正を求める内容の申し入れを行った。

 フォーラムが問題と指摘しているのは、概算要求に書かれた「集落で行う共同活動については、農地・水保全管理支払で行うことを基本とし、交付金の1/2以上は個人に支払うことを原則とする」としたことだ。
 本来、同制度は「共同取組活動」を重視し、交付金額の1/2以上を共同取組活動にあてることを「努力目標」としてきた。制度の見直しはこれまでと正反対の方針だとして現場から問題視する声があがっている。
 声明では、(1)前対策の検討会で「共同取組活動」の重要性を評価し、さらに高齢者にも参加しやすい制度で今年度から第3期対策がスタートした直後の制度の転換は、現場の混乱を生み、乱暴であるとした。
 (2)さらに、実体論として制度実施からの10年間で交付金の分配割合が上昇していることをあげ、「共同取組活動」の重要性を現場が認識していることの表れだと強調した。
 (3)最も重要な点として政策論をあげ、「十分な担い手が育成されていない中山間地域等で農業生産活動を継続していくためには、集落の補完性や継続性を活かした共同取組活動などへの取組みが重要」とする制度の思想との矛盾を指摘。条件の悪い中山間地域の格差是正だけではない自主的な努力・発展を支えてきた制度の側面を否定し、これまでがんばってきた人の誇りや自信を損なうことになると批判した。
 そのほか▽個人への支払いを推進した場合の地方自治体負担の論拠が弱くなること、▽戸別所得補償制度の補完制度と位置づけて共同取組活動を行わないことにより、協定を5年間継続する根拠がなくなること、▽農地・水保全管理支払いを基本とした場合に従来の対策要件にある非農家の参加が認められるのか、についても問題点としてあげた。
 そして、今回の見直しは10年間の成果を無駄にすることになり、もし制度転換の合理性があるならば徹底的な検証と議論が必要だとの考えを示した。

(2010.11.15)