農政・農協ニュース

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食と地域の『絆』づくりで優良事例を選定  農水省

 農水省は「食と地域の『絆』づくり」の優良事例23団体を選び、12月1日総理官邸で選定証を手渡す。

 『絆』に着目してグループなどの結びつきによる地域活性化の取組みを先駆的事例として選定し、奨励するもので、今春公募して80団体が応募。その中から20都道府県の23事例を選定した。以下、特徴的な事例を拾ってみた。
 岩手県久慈市の「短角牛の里と都市を結ぶ集い実行委員会」は地域特産の「短角牛肉」を単に畜産品と見ないで放牧地の風土などを実感する交流会を催して都市・消費者の思い入れを醸成している。
 また国産飼料と、耕作放棄地などを活用した家畜糞尿のリサイクルなどにより、飼料の高騰や牛肉の消費低迷の中でも他地域より有利な価格での取引を進めている。
 長野県上田市の「長野大学環境ツーリズム学部古田ゼミナール」は地方品種の「山口大根」が絶滅に瀕していると知った学生たちが平成17年に保全活動を始め、高校生へのワークショップや学生料理コンテストを実施。
 旅館組合やNPОとも連携し、板前や栄養士を巻き込んで地域ぐるみに発展。レシピは「信州うえだ地大根レシピ百選」として配布された。
 埼玉県川越市の「川越style倶楽部(すたいるくらぶ)」は若手経営者らが食文化で1・2・3次産業者の異業種交流を進めようと発足した。
 地元と東京に飲食店「黒豚劇場」を出店して県産素材の料理を提供。店の内装材も埼玉づくしとして同県の発信基地となっている。
 福井県永平寺町の「農事組合法人吉野ホタルの里ファーム」は5集落で農業生産法人を設立。米麦、ソバなどの栽培や作業受委託を中心に条件不利地でのモデル的な営農組織として活動。
 ホタルの棲める環境づくり、レンゲを緑肥とした「レンゲ米」生産を実施し、また集落機能維持のため園児たちの食育や、漬物コンクールなどの実施を通じて住民同士がふれあう機会の創出にも取り組んでいる。
 鳥取県倉吉市の鳥取中央農協は農業体験学習「あぐりキッズスクール」を開校。高校生にも指導補助員として協力してもらう中で活動の輪を広げている。 子どもたちは食と農を学ぶとともに思いやる心から生まれた「友達」、農作業を通じた「思い出」、農業の醍醐味の「実り」を持って卒業している。

全受賞者と活動内容は次の通り。
上士幌町交流と居住を促進する会(北海道上士幌町)「上士幌コンシェルジュ設立PJ」〜人的資源を活かしたコミュニティビジネスの創造〜
うらほろスタイル推進地域協議会(北海道浦幌町)子どもたちが夢と希望を抱ける社会を目指して。
カマラードの家(青森県五戸町)地域の農産物にこだわった加工販売
短角牛の里と都市を結ぶ集い実行委員会(岩手県久慈市)短角牛の里と都市を結ぶ集い
国立ファーム株式会社(山形県村山市)ガールズ農場 女子大生プロジェクト〜週末は畑ステイ!〜
東沢地区協働のまちづくり推進会議(東沢夢里会議)(山形県川西町)山村留学が生み出した交流による地域づくり
緑風街倶楽部(群馬県前橋市)緑の風の吹く街から〜未来へつなげるために〜
川越style倶楽部(埼玉県川越市)「世界に向けて川越文化を発信」による地域活性化の取組
全漁連(東京都千代田区)貝殻魚礁「JFシェルナース」による豊かな海づくり
東京家政大学白藤プロジェクト(新潟県長岡市)「食育の循環」田んぼを丸ごと愉しむ!
(農)吉野ホタルの里ファーム(福井県永平寺町)集落営農による活力ある地域づくり
NPO法人えがおつなげて(山梨県北杜市)都市と農村をつなげて農村活性化
(有)たんぽぽ(長野県長野市)楽しく元気に、地域に貢献する農業を目指して
長野大学環境ツーリズム学部古田ゼミナール(長野県上田市)地大根の料理イベントとレシピ集作りによる地域活性化
(農)鵜の味(愛知県美浜町)自然、人、ものを活かす「鵜の味」流、地域の活性化
志摩いそぶえ会(三重県志摩市)きらり里親支援事業
(財)泉佐野市公園緑化協会(大阪府泉佐野市)農山村資源の保全と活用によるコミュニティビジネス
鳥取中央農業協同組合(鳥取県倉吉市)JA鳥取中央あぐりキッズスクール
住民自治組織 川根振興協議会(広島県安芸高田市)「住民自治」―「もやい」の心で安心して暮らせる農村をめざして―
鏡村直販店組合(高知県高知市)鏡むららしさを消費者に伝えたい〜楽しい・なつかしい・気軽な直販店を目指して〜
(株)くまもと創健(熊本県人吉市)人吉・球磨隠れ里の逸品づくりを通して
夕日の里づくり推進会議(宮崎県五ヶ瀬町)おかえりなさい!ふるさと五ヶ瀬でこころのやすらぎを
久米島ホタルの会(沖縄県久米島町)ラムサール登録湿地久米島の環境保全とワイズユース

(2010.11.30)