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【クローズアップ・協同の力】「買物弱者」推計600万人―「協同の力」に新たなテーマ

 近所のスーパーや商店が閉店し最寄り店までが遠くなり、食料品などの買物をすることが困難になった「買物弱者」が増え、全国に約600万人いると経済産業省の流通関係研究会(※1)が推定し今年5月に公表、テレビや新聞などで取り上げられることが多くなった。改めて農山村を中心にこの問題を考えてみた。

10月13日に安曇野市内で行われた「御用聞き車“あんしん”号」の出発式 「昔はすぐそばで、豆腐だってなんだって買えた。いまは豆腐1つ、ハガキ1枚買うのに、バスやタクシーに乗らなければならんでしょう。だから、情けなくて悔しくてたまらんとですよ」
 「一人なので誰も連れて行ってくれる人もいない。姉妹がいるけれど、皆、遠いので、また働いているために、頼めない」
 「買物弱者」「買物難民」といわれている人たちの声だ(※2)。
 この問題を「フードデザート」(食の砂漠:FDs=生鮮食料品の入手が困難な地域を意味する学術用語)問題として調査研究活動を実施している岩間信之茨城キリスト教大学准教授は、自宅から生鮮食料品店への買物利便性が極端に悪く、自家用車を利用できない社会的弱者(現在の日本では高齢者)がいるを地域をFDsと定義している。
 その地域とは、中心部が空洞化する地方都市や高齢化が著しい大都市周辺の住宅団地であり、高齢化が進む農山村や島嶼部だ。


1:「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会報告書〜地域社会とともに生きる流通」(経産省:22年5月)
2:食品アクセスセミナー第2回「『買物難民』問題と日本政府の課題」杉田聡帯広畜産大学教授報告(農水省:22年7月)

 

(写真)
10月13日に安曇野市内で行われた「御用聞き車“あんしん”号」の出発式


(詳しくは クローズアップ・協同の力「「買物弱者」推計600万人―「協同の力」に新たなテーマ」 で)

(2010.12.15)