農政・農協ニュース

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生育範囲の拡大は見られず 遺伝子組換えナタネなどの実態調査  農水省

 農水省は「平成21年度遺伝子組換え植物実態調査」の結果を1月上旬発表した。

 同省は遺伝子組換え植物が生育範囲を拡大したり、交雑可能な近縁種に広がったりしていないか、輸入港の周辺地域でナタネ類の実態調査を実施。
 21年度調査では前年までと同じく生育範囲の拡大は見られないとの結果を出した。
 今回は全国17港周辺の計640地点を調査対象とし、うち8港の周辺69地点で遺伝子組換えセイヨウナタネを見つけた。しかし近縁種であるカラシナや在来ナタネとの交雑は発見されなかった。
 また2種類の除草剤耐性遺伝子を持つものも発見したが、それらは、これまで食品・飼料としての安全性や生物多様性への影響について問題がないと評価されている。
 21年度はダイズと、その近縁種ツルマメを調査対象に追加したが、ここでも交雑体は見つからなかった。
 今後も経年的変化を観察するため調査を継続していく。
 同省は遺伝子組換えのセイヨウナタネやダイズが運搬時にこぼれ落ちて生育しても、生物多様性への影響はないとして輸入や流通を認めている。
 しかし懸念に応えて18年度から輸入港周辺で実態調査を実施。21年度の調査では八戸、石巻、千葉、清水、名古屋、四日市、神戸、博多の8港周辺の69地点(セイヨウナタネ生育地点数全体の29%)で遺伝子組換えセイヨウナタネを見つけた。場所は幹線道路沿いの歩道や河川敷など。

(2011.01.19)