農政・農協ニュース

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買い物弱者応援セミナーに高い関心  経産省

 経済産業省は、社会的な問題となっている「買い物弱者」問題について、「高齢社会における流通サービス研究セミナー〜買い物弱者を応援〜」をテーマに全国3カ所でセミナーを開催する(受託者:(株)野村総合研究所)ことにしているが、1月31日に東京会場でのセミナーが開催され、定員を大きく上回る参加者があり、この問題への関心の高さをうかがわせた。

定員を大幅に超えた参加者が(写真提供:野村総研) 全国に600万人いるといわれている「買い物弱者」問題は、大きな社会的課題として注目を集めている。経産省では平成21年11月から「地域生活インフラを支える流通のあり方研究会」において、商業施設などさまざまな生活インフラが弱体化するなかで、地域の課題に対応する宅配・移動販売・地域のコミュニティ活動との連携などの事業について検討するとともに、昨年12月には「買い物弱者応援マニュアル」として「買い物弱者を支えていくために〜20の事例と7つの工夫」を発行した。
 このセミナーは、これまでの検討状況や実践事例を紹介することで、「買い物弱者を応援」する取り組みを広げようというもので、東京のほか、仙台(2月14日)、福岡(2月23日)で開催される。
 1月31日の東京会場は定員100名の予定だったが、これを大幅に上回る約170名が参加した。このセミナーを実際に運営した野村総研によれば、参加者は地方自治体を含む行政関係者、小売事業者、商店街や福祉関連が、それぞれ3分の1ずつだった。
 東京会場の内容は、槇本健次(有)エムケイブレーン代表取締役が、九州を中心とする具体的な取り組み事例をまじえて「身近な場所に『店を作ろう』」「家まで『商品を届けよう』」「家から『出かけやすくしよう』」という「買い物弱者を応援する3つの方法」(買い物弱者応援マニュアル)のポイントや今後の課題を基調講演。佐藤利昭さいたまコープ理事長、松本隆潮らでいっしゅぼーや(株)CSR担当、高畠滋夫全日本食品(株)副社長がそれぞれの取り組み内容を報告。さらに、加藤博(有)PMO代表取締役を交えパネルディスカッションが行われた。
 そのなかで今後の課題としてボランティア精神だけでは長続きしない事業としての「採算性」「継続性」をどうとるか地域の諸団体とのネットワークづくり―地域で支える、コーディネイトの役割地域の実情に応じた工夫が必要、などが指摘された。
 参加者の多くからは「買い物弱者の課題がよく分かった」「事例紹介や事業に携わっている人の生の声が聞け、自らのヒントになった」という感想が寄せられているという。一方、参加者とパネリストとの質疑応答などがされなかったので「取り組みをどう継続させていくのか突っ込んで聞きたかった」という意見もあった。また、紹介された事例の多くは都市・街におけるもので、中山間地や農村地帯における取り組み課題が示されなかったのは、残念だった。


(写真)
定員を大幅に超えた参加者が(写真提供:野村総研)

(2011.02.07)