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降灰被害農地、1万2000haに 新燃岳の噴火

 300年振りに本格的に噴火したとされる宮崎・鹿児島県境の霧島山(新燃岳)の降灰被害状況を2月4日、農林水産省がまとめた。

 被害は宮崎県南東部(日南市、串間市、都城市、三股町、国富町、綾町、小林市、川南町、高鍋町など)で発生している。
 加工用ホウレンソウ、キャベツなどの露地野菜、イタリアンライグラスなどの飼料作物に火山灰が降りかかり、収穫期の葉菜類は出荷を見合わせている。出荷が可能な場合でも、洗浄が必要な状況。被害面積は1万1162haで生育遅延、商品価値の低下が見込まれるが被害額は今のところ不明だという。
 また、施設園芸用のビニールハウスでは、降灰による光線透過率の低下や、自動開閉装置の操作が困難となるなど、作物の生育への影響が懸念されている。 鹿児島県でも曽於市、志布志市で露地野菜とビニールハウスに被害が出ている(被害面積は147ha)。
 被害額は2月4日12時現在で1億5000万円(宮崎県判明分のみ)。
 新燃岳は1月26日に小規模な噴火が発生し、27日には中規模な爆発的噴火、2月1日から3日にかけて爆発的な噴火が確認された。4日には大規模な噴火が発生している。
 農水省は散水などによる降灰の除去、火山灰の分析による土壌改良など被害をおさえるための技術指導の徹底や適切な被害評価などを通知。また、(独)家畜改良センターは被害農家への緊急支援として家畜用飼料の供給を始めた。
 噴火状況をふまえ2月7日に政府支援チームが派遣された。噴火活動が活発化した場合や、降灰による土石流を想定した住民の避難計画の策定支援などを行うのが目的。

(2011.02.07)