農政・農協ニュース

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配合飼料価格1800円値上げ 実施は5月1日から  JA全農

 JA全農は、23年4〜6月期の配合飼料価格について、1〜3月期に対して全国全畜種総平均トンあたり約1800円値上げすることを決めた。なお実施時期については、「東北地方太平洋沖地震」の影響を考え、5月1日出荷分からとした。

 配合飼料価格を値上げした飼料情勢は次の通り。
 飼料穀物については、トウモロコシのシカゴ定期は、12月上旬には5ドル/ブッシェル台で推移していたが、米国農務省の需給見通しで期末在庫率の下方修正が続き、5%と歴史的な低水準にあること、さらに穀物市場に大量な投機資金が流入したことなどから高騰。現在は7ドルをはさんだ水準で推移している。
 今後は、エタノール用需要が旺盛なので在庫率の回復が当面見通せないことなどから、シカゴ定期は堅調に推移するものと全農では見込んでいる。
 大豆粕のシカゴ定期は、12月上旬は380ドル/トン台で推移していたが、トウモロコシと同様に大豆の期末在庫率が4%台と歴史的低水準になったことから上昇、現在は400ドル前後で推移している。また、国内産大豆粕価格は、シカゴ定期が上昇していることから値上げが見込まれている。
 米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は12月の60ドル/トン前後から、中国の鉄鉱石輸入の停滞、豪州の洪水被害による石炭輸出停止などから需給が緩和され、現在は55ドル前後で推移している。今後は南米の穀物輸出が最盛期を迎えるので、底堅く推移すると予測されている。
 外国為替は、83円をはさんだ水準で推移しているが、今後は改善の兆しがある米国経済も本格的な景気回復までには時間がかかるとみられるため、一進一退の相場展開が見込まれている。

(2011.03.15)