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稲ワラ、肉牛の放射能汚染で平野達男・震災復興担当相と意見交換 新世紀JA研究会

 新世紀JA研究会(代表:鈴木昭雄JA東西しらかわ(福島県)代表理事組合長)は7月下旬、JAはだの(神奈川県)での第10回セミナーで全7項目の大会アピールを満場一致で採択した。研究会代表らは8月10、11両日、アピールを基にJAグループ全国連や行政などに対して要請活動を行った。

平野・震災復興担当相に要請書を手渡す鈴木代表 要請活動に参加したのは、鈴木代表、藤尾東泉副代表(岩手・JAいわて中央代表理事組合長)、足立武敏副代表(福岡・JAにじ代表理事組合長)、高橋信茂氏(東京・JA東京みどり代表理事組合長)、古谷茂男氏(神奈川・JAはだの代表理事組合長)、萬代宣雄氏(JA島根中央会会長)、宮本幸男氏(JA土浦会長理事)ら。
 10日は平野達男・震災復興担当相を訪れ、東日本大震災からの復興策として義援金の迅速な配分と複数年にわたる活用や国としてのエネルギー政策の転換、TPPやコメの先物取引試験上場に対する強い反対、2012年の国際協同組合年にあわせた「協同組合憲章」の制定、などを要請した。
 コメの先物取引について鈴木代表は、上場スタートから早くも価格が乱高下したことを例にあげ「生産者が価格に惑わされ、安定的な生産活動に支障が出るのではないか」と懸念を伝え、平野氏は「生産調整とともにすすめるのはあまり意味がない。しばらく様子を見て、よくないやり方だとなればやめるべきだろう」と理解を示した。
 協同組合憲章の制定について平野氏は、「作らなければ困る、作ればこんなにメリットがある、という説得力をいかに持たせるかが重要だろう」と指摘した。
 また、福島第一原発事故によって稲ワラとそれを食べた肉牛から放射性物質が検出されたことについて、鈴木代表は「昨年の口蹄疫の時の牛の補償は1頭90万円ほどだったが、今回は1頭60万から70万円ぐらい。せめて口蹄疫と同程度の補償にならないか」と要望し、萬代氏も「島根にも放射能汚染の稲ワラが持ち込まれた。流通業者への責任追及はどうなっているのか」と疑問を述べた。平野氏と代表団らはこれらの要望に基づき、補償額の算定や全頭検査の可能性などについて意見交換した。
 代表団は11日にも引き続き要請活動を行い、JA全中など全国連、自民党、農水省などを訪れた。

(写真)平野・震災復興担当相に要請書を手渡す鈴木代表


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