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素材から出汁を取る母親4人に1人 インスタント派が大半  JA全中調査

 JA全中は「みんなのよい食プロジェクト」の一環で、10歳までの子どもをもつ母親800人を対象に「だし汁と手作り料理に関する意識調査」を行った。普段から昆布、かつおぶしなど天然素材からだしを取っている人はわずか4人に1人で、大半は簡単なインスタント粉末だしなどを使っていることがわかった。

◆だしを取るのは簡単で経済的

 主に使っているだしの種類は、「天然素材を使ったインスタント粉末だし」26.4%、「化学調味料を使ったインスタント粉末だし」21.8%で多く、そのほか「だしパック」、「めんつゆ」なども含めて76.7%と、4人中3人がインスタントだしを使っていた。天然素材を使っている人は「かつおぶし」12.9%、「昆布」5.4%、「煮干し・いりこ」4.4%など合計23.3%だった。
 天然素材派の理由は、「おいしい」が6割ほどでトップ。次いで、安全、健康、子どもの味覚のため、がそれぞれ3割ほど。
 一方、インスタント派の理由は、「だしを取るのが面倒」が8割を超え、「時間がかかる」が5割、「費用が高い」が4割などとなっている。
 調査を監修した料理研究家の清水信子さんは、「子どもの味覚は6才までで決まると言われており、小さいうちから塩分の入ったインスタントだしを食べていると舌が慣れてしまう」と、子どものためにもなるべく良いものを食べさせてほしいとコメント。また、だしは水に素材を入れて加熱するだけで簡単に取れ、素材はふりかけやつくだ煮などに再利用できるので経済的だとして、天然素材を進めている。


◆天然素材だしで食事中のコミュニケーションも豊富に

 食事へのこだわりについて、天然素材派は「値段にかかわらずおいしい・信頼できるものを買う」との答えがインスタント派の倍だった。「手間・時間をかけずに作る」との回答は、天然素材派がインスタント派より10ポイント以上低かった。
 また、家族とのコミュニケーションをもっとも多く取るシーンについては、天然素材派が「食事中」25%に対し、インスタント派は同18%で、天然素材派の方が食事中のコミュニケーションが豊富な傾向にあることがわかった。

主に使用しているだしの種類

(2011.08.16)