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寿命が伸びるビフィズス菌の効果を発見 大腸の老化抑制と寿命の関係も証明  協同乳業などの共同研究

 ビフィズス菌を与え続けたマウス(平均寿命約2年)の寿命は約6カ月伸びたと協同乳業が理科学研究所などとの共同研究結果を8月17日発表した。

 人間の老年病は腸内の慢性炎症が主因。これの抑制が長寿につながるとしたのが研究のねらい。
 実験では、LKM512というビフィズス菌をマウス(ヒト換算で3035歳)に飲ませ、ポリアミンという生理活性物質を大腸内で増やした。ポリミアンは納豆、醤油、味噌などに多く含まれている。
 その結果、ポリアミンを直接飲ませるよりも、ビフィズス菌投与によって大腸内で増えたポリミアンの作用に起因する効果のほうが高いとわかった。
 これまでの動物実験ではカロリー制限で寿命を伸ばす報告はあるが、それ以外の方法で成功した例は珍しい。
 この研究は腸内の細菌が産むポリアミンという物質に着目したことが特徴だ。
 さらに、その濃度を腸内で高めたことによる大腸の老化抑制や抗炎症効果が、寿命の伸びにつながったことを示した。この点では世界で始めて。
 ヨーグルト不老長寿説に基づいた腸内の環境改善によるアンチエイジング「老化防止」の証明でもある。
 この研究結果は米科学誌プロスワンに同日掲載された。
 研究グループは協同乳業、理科学研究所、京都工芸繊維大、京都大学。

寿命が伸びるビフィズス菌の効果を発見 大腸の老化抑制と寿命の関係も証明

(2011.08.19)