農政・農協ニュース

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TPPはいらない! 農業団体、労組などが緊急集会

 農業団体、商工団体、消費者団体などが実行委員会を構成し8月27日、東京都内で「TPPはいらない! 8.27緊急集会」を開いた。

TPPはいらない! 8.27緊急集会 実行委員会を代表してあいさつした大黒作治・全国労働組合総連合議長は「TPP参加は自給率を40%から13%に低下させ300万人以上が新たに職を失う。農業分野の破壊にとどまらず国民の暮らしと中小企業、地域経済の崩壊が目に見えている。新しい内閣ができても11月のAPECでTPP参加を表明することも十分考えられる」と強調し「大震災からの復興、原発問題、そしてTPP反対の運動も本番の秋を迎える。私たちの前にはかつてない協同が広がっている。暮らしと雇用、食と農業を守り美しい国土を守る国民世論をおおいに広げよう」と呼びかけた。
JA全中・小林寛史農政部長 集会には来賓としてJA全中の小林寛史農政部長があいさつ。
 「TPP参加はわが国農林水産業や関連産業をはじめ地域の雇用と経済、社会の崩壊を招く。改めて断固反対の立場を表明する」と切り出すと会場からは大きな拍手と賛同の声が湧いた。小林部長は「食料自給率50%を目標にした基本計画とTPPを両立させることは絶対に不可能。食料安保は確保できない。TPPは東日本大震災で壊滅的な被害を受けた農林水産業、地域の雇用、経済社会をさらに痛めつけるものであり、即刻、参加は断念すべき」などと話し、「JAグループは集落や農地の実態に応じて資源を最大限に活用する持続的な農業の展開を進めるとともに、地域のライフラインとしての役割発揮に全力を挙げていきたいと考えている。同時に、政府が交渉参加の断念に至るまで反対する運動を全力をあげて取り組む」と決意を述べた。
鈴木宣弘・東大大学院教授 また、TPP反対アピール呼びかけ人として鈴木宣弘・東大大学院教授もあいさつ。TPP参加は日本社会全体の将来の大きな禍根を残すとしてTPP不参加を実現するため「覚悟を決めて運動を」と呼びかけた。
 そのほか、被災地・岩手県でTPP断固反対運動を展開している「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える岩手県民会議」を代表してJA岩手中央会の畠山房郎参事が活動報告をした。同県民会議の参加団体は49団体だという。県内のTPP反対署名は県民の1割強にあたる14万8000人から集まった。「復興に向けて懸命な取り組みをしている。TPP参加ではその復活の芽がつぶされる。多くのJA岩手中央会・畠山房郎参事方にこの問題を知ってもらい参加阻止に向けた運動を展開していきたい」などと畠山参事は話した。そのほか、医療、中小業者、消費者団体などからも発言があり、「人が人として大切にされる社会をつくるためにも、大震災・原発事故からの復旧・復興という国民みんなの願いを実現するためにもTPP参加は反対」とする集会アピールを採択した。

 実行委員会参加団体は以下のとおり。
▽安保破棄中央実行委員会、▽家庭栄養研究会、▽軍事費を削ってくらしと福祉・教育の充実を国民大運動実行委員会、▽港湾労働組合、▽自由法曹団、▽新日本婦人の会、▽全国厚生連労働組合連合会、▽全国商工団体連合会、▽全国生協労働組合連合会、▽全国農業協同組合労働組合連合会、▽全国保険医団体連合会、▽全国労働組合総連合、▽全日本教職員組合、▽全日本年金者組合、▽全日本民主医療機関連合会、▽東京地方労働組合評議会、▽日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会、▽日本国家公務員労働組合連合会、▽日本自治体労働組合総連合、▽日本消費者連盟、▽日本母親大会連絡会、▽日本婦人団体連合会、▽農民運動全国連合会。

 

(写真上から)JA全中・小林農政部長、鈴木・東大大学院教授、JA岩手中央会・畠山参事

(2011.08.30)