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大雨は『想定外』ではない時代へ  気象協会が指摘

 台風12号の大雨を踏まえて日本気象協会は9月7日、「総雨量2000mmの大雨が『想定外』の事象とはいえない時代に入った」との考えを明らかにした。

 台風による大雨は、台風の進行速度と海面水温が深く関係している。日本気象協会は近年の台風災害事例や地球温暖化の影響を考慮し、平成17年の台風14号と、21年に台湾を襲った8号(台風モーラコット)を比較検討した結果、今年5月に学界で、日本国内でも2000mmを超える大雨が想定されることを指摘した。
 それが今回、現実のものとなったため改めて一般向けに2000mm時代の到来と、対策の必要性を訴えた。
 また台湾付近と日本の南海上では現在、海面水温に2度近くの差があるが、100年後のシュミレーション結果では南海上が台湾近海並みになると予想されるとした。亜熱帯並みになるというわけだ。

 今回は紀伊半島南部に総雨量2000mmを超える記録的な大雨をもたらし、大雨に強いとされてきた同半島で広範囲にわたり大規模な土砂災害が発生した。
 アメダス観測地点の72時間雨量をみると、奈良県上北山村で1652・5mmと観測史上1位の記録を更新し、さらに上位5位のうち2位と5位の記録も今回更新された。
 台風モーラコットは3000mmという記録的な大雨で台湾南部の村を壊滅させる深層崩壊を引き起こした。

アメダス観測地点の72時間雨量の上位5位

(2011.09.08)