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高温に強く寿司米に向く新品種「笑みの絆」開発  農研機構

 農研機構の中央農業総合研究センターは、高温耐性に優れ、寿司米に向く水稲新品種「笑みの絆(きずな)」を開発したと9月8日発表した。

 「笑みの絆」は登熟期の高温耐性が強く、高温下でも玄米の白濁が少ないことによって検査等級の低下を防げることから、農家経済の安定につながると期待されている。
 寿司飯にした場合、外観となめらかさは「ササニシキ」より優れ、粘りは弱く、やや硬く、ほぐれ易く、あっさりした食感で、寿司米としての食味の総合評価は「ササニシキ」、「ハツシモ」よりも優れていた。
 民間企業による業務用炊飯特性調査では、酢飯に向くという評価を得て共同研究先の農業生産法人(株)ファーム木精では全国の寿司店、米穀店8店での販売を予定している。
 「笑みの絆」は良食味品種の育成を目標として、定評のある寿司米「ハツシモ」から育成された「岐系120号」と、良食味系統「収6602」の交配後代から育成された品種。平成14年に北陸で育成を開始。20年から系統名は「北陸225号」。
 22年の猛暑下でも高い玄米品質を示した。栽培適応地域は冷害の危険性の少ない東北南部、北陸と関東以西。

「笑みの絆」の玄米および籾(左:笑みの絆、中:コシヒカリ、右:いただき)


(写真)
「笑みの絆」の玄米および籾(左:笑みの絆、中:コシヒカリ、右:いただき)


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