農政・農協ニュース

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3年以内の営農再開めざす 3次補正で復興マスタープランに着手

 政府は第3次補正予算の編成に入る。7月29日に決定した復興基本方針では「減災」を基本的な考えとし、災害に強い地域づくりをめざす。復興特区の創設、被災自治体が活用しやすい交付金の創設なども打ち出した。農業では8月26日に農水省が復興マスタープランを決定。地震、津波で被害を受けた農地については3年以内の営農再開をめざすことにしている。

 農水省は第3次補正予算の基本的考え方として復興マスタープランに即した生産基盤の整備や農業経営の再建に取組むとしている。 具体的には、市町村が策定する復興計画と連携し、地域農業の再興に向けた農業基盤の整備計画を策定するための予算を確保する方針。また、津波による壊滅的な被害を受けた海辺の農地では、ほ場の大区画化を実施する事業予算も措置する。 経営の継続と再建に向けては、被災市町村による「担い手マスタープラン」の策定を後押しするとともに、農地の利用集積、農業用施設の整備を推進する。 また、農業者が地域農業復興組合を作り営農再開に向けた取り組みに対して10aあたり3.5万円を交付する経営再開支援事業を継続する。
 復興組合は8月時点で36市町村で検討が行われ、14市町村で39の復興組合が設立されたにすぎない。復興組合は水田作、野菜、果樹に限らず、畜産についても畜種に応じた交付金が支払われることになっている。
 そのほか6次産業化や再生可能エネルギーの活用に向けた予算も確保する方針だ。
 具体的には、食品製造業者が被災農業者から原料の調達をするなど、被災地の農林漁業者と被災地以外の事業者が連携する取り組みを支援する予算や、東北地方の観光資源に着目し、高齢者の観光需要をターゲットにしたツーリズムプランの策定なども支援する。
 再生可能エネルギーについては、3次補正では被災地での導入調査費用や、小水力発電など供給施設整備に関わる予算も確保する考え。
 復興マスタープランでは岩手と宮城の被災農地については、平成24年までに営農再開が見込まれるのは全体の5割だが、福島県は約2割。しかも原発事故の影響で25年以降の作付可能面積は推定できていない状況だ。
 3次補正予算には農地などの除染技術を現場で実証する事業予算も確保する方針にしている。

(2011.09.16)