農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

食料安保のため東南アジアで米備蓄 ASEAN+3会合で協定を採択

 10月7日にインドネシアのジャカルタで開かれたASEAN+3(日本、中国、韓国)農相会合では、域内の緊急事態に備えた米の備蓄制度協定が採択された。

 「東南アジア諸国連合及び協力3か国における緊急事態のための米の備蓄制度に関する協定」(APTERR協定)は、協定締結国の義務として▽自然災害など緊急事態に備えて一定量の米を特定すること、▽APTERR運営支援のための基金への一定額の拠出を行うこと、を規定した。 この米備蓄は、各国が保有する在庫のうち緊急時に放出可能な数量を申告する備蓄(イヤーマーク備蓄)と緊急時の初期対応として現物備蓄する仕組みで構築する。
 イヤーマーク備蓄は日本25万t、中国30万t、韓国15万t、ASEAN各国計8.7万tで合わせて78.7万tとした。
 この仕組みは大規模災害等の緊急時に人道的な観点から支援することを目的に、2002年のASEAN+3農相会合で構築することが決定された。決定を受けて04年から試験事業を開始し、恒久的な枠組みにするために今回、協定が採択されたもの。 運営を支援するための基金は総額400万ドル規模とし、5年間で造成する。そのため日・中・韓はそれぞれ100万ドル、ASEAN各国計で100万ドルを拠出する。また、基金が造成されるまでの当初5年間は運営経費を各国が毎年拠出することも決まった。日・中・韓はそれぞれ7万5000ドル、ASEAN各国計で7万4000ドルを負担する。
 農水省は、この制度の構築が東アジア地域の食料安保と貧困緩和に重要だとして制度構築を主導的に進めてきた。

(2011.10.12)