農政・農協ニュース

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JA全農の平成24農薬年度 水稲および園芸用「特別重点推進品目」

 JA全農では毎年、効果が優れ、低コスト・安全・省力などの利点があり、農家の営農に役立つ農薬を「基幹品目」と位置づけ、普及推進に取り組んでいる。このほど平成24農薬年度の基幹品目が決定されたが、そのうち水稲用品目と園芸用品目のなかでも特に事業推進上重要と位置付けられる「特別重点推進品目」「重点推進品目」「系統育成品目」に設定された剤を紹介する。

水稲用品目

 特別重点推進品目とは基幹品目の中でも特に重要な品目で、系統主導で品目推進を図る品目として選定されたもの。
 水稲除草剤分野(表1)では、全農の共同開発品目であるMY―100(オキサジクロメホン)と、AVH―301(テフリルトリオン)の混合剤が設定されている。
 AVH―301混合剤(商品名「エーワン」「ゲットスター」「ボデーガード」)は、本格上市初年度の平成23年、3剤で全国で15万ha普及した。これは、SU抵抗性雑草を含む一年生雑草や多年生雑草や、全国的に増えているイボクサ、アシカキといった特殊雑草への高い効果が現場のニーズに合致したからと考えられる。また、ヒエ剤との2種混合で既存一発処理剤と同等以上の性能があるので、特別栽培での使用に適していることも、大きく普及した要因といえる。
 そのほかの特別重点品目ではMY―100混合剤が中心だ。AVH―301剤との混合剤のエーワン剤、除草剤成分ピリミスルファンとの混合剤・マイウェイ剤、マイウェイゼロ剤などの新規広葉剤との混合剤も登場。さらに新規品目として、MY―100、ピラクロニル、ピラゾスルフロンエチル、ベンゾビシクロンの4成分混合剤で、効果の高さと残効性で非常に安定しており、移植時処理も可能でイネへの安全性も高く、安心して使える剤としてシリウスエグザ1キロ粒剤が加わった。
 水稲殺虫殺菌剤(表2)では、育苗箱で処理して小型カメムシまで効果を示す箱処理剤のデジタルメガフレア箱粒剤はじめ、嵐プリンス箱粒剤、デジタルコラトップアクタラ箱粒剤が設定されている。
 基幹品目の中で、大型かつ全国的な品目で、事業推進上特に重要な品目として選定された「重点品目」。全農の試験等を通じその効果や作物への安全性が確認されている品目で、防除上必須の品目であり、系統主導で普及推進を図りたいと選定された「系統育成品目」。担い手農家支援のひとつとして、通常の規格よりも割安な「大型規格」については表1、2の通りとなっている。

表1 水稲用品目

表1 水稲用品目

表2 水稲用品目

※ 表はクリックすると大きく表示します

園芸用品目

 特別重点品目に選定された品目は、ジェネリック農薬として全農が開発したジェイエース水溶剤、ジェイエース粒剤である。
 重点推進品目としては、園芸殺虫剤のプレオフロアブル、殺ダニ剤のバロックフロアブル、土壌消毒剤のソイリーン、非選択性茎葉処理除草剤のラウンドアップマックスロードだ。いずれも、それぞれの分野で重要な存在感を示す品目である。なお、園芸用殺菌剤のペンコゼブ水和剤・フロアブル・グリーンペンコゼブ水和剤は全農で開発したジェネリック農薬であり、その汎用性の広さや使いやすさで好評である。
 系統育成品目については表の通りとなっている。

表3 園芸用品目

※ 表はクリックすると大きく表示します

(2011.12.27)