農政・農協ニュース

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100ベクレル超の米を隔離  農水省

 農林水産省は平成23年12月27日、1kgあたりの放射性物質が100Bqを超える米についても市場から隔離する方針を決めた。実施するのはJAグループなど民間団体で、出荷代金相当額を生産者に対して支払うが、東電から損害賠償金が支払われた時点で出荷代金相当額が相殺される仕組みとする。

 厚生労働省は4月から米の放射性物質の基準値を500Bq/kgから100Bq・kgへと引き下げる新基準を施行する方針で、米については24年産が出回る10月までは現行の500Bq/kgも認める方針を示していた。 しかし、消費者の不安や混乱を招くことが懸念されるため、新基準の施行を待つことなく、100Bq/kgを超える米を市場隔離することにした。
 隔離対象は(1)500Bq/kgを超える数値が検出され出荷制限が課された地域の米、(2)本調査や緊急調査で100Bq/kgを超える数値が検出された米。福島県が実施する緊急調査の結果で確定するが、農水省によると現時点では約4000tの見込み。
 対象となる米は市場流通しないよう産地の倉庫に隔離する。廃棄や処分については国と県、関係団体が一体となって対応する。
 隔離する米を国が買い上げるわけではなく、生産者に対してはJAグループなど民間団体が出荷代金相当額を支払う。隔離する米については東電に損害賠償を請求し、賠償金が支払われた段階で団体の支払い金が相殺されるという仕組みだ。鹿野農相は27日の記者会見で国の買い上げについて「食糧法上、なかなか困難」と話し、東電への損害賠償請求については「農水省としてきちんと話をしていくことになる」と述べた。

(2012.01.04)