農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

林帯の幅を広くと提言 海岸防災林の再生で検討会

 東日本大震災の津波で被災した海岸防災林の再生方針を林野庁の検討会(座長=太田猛彦東京大学名誉教授)が2月1日まとめた。

 3、400年以上も前から白砂青松の美を誇ってきた東北地方太平洋岸の海岸防災林は大震災で壊滅的な被害を受けた。検討会の報告書は、被災状況の概要をまとめ、過去の事例もたどって、津波に対する海岸防災林の効果などを説明。
 再生に当たって留意すべき主な事項を次の4点とした。
 (1)林帯の配置(林帯の確保)(2)生育基盤の造成(盛土により根の健全な成長の確保)(3)人口盛土の造成(背後の林帯の保全のため人工盛土を造成)(4)森林の構成(大径木化、広葉樹植栽など)。
 海岸防災林は津波の力を弱めるほか潮・塩害、飛砂・風害、霧などを防ぐ様々な機能を持つ。それに見合って林帯の幅は広くすることが望ましい。津波の高さ3mなどという条件なら林帯幅50mで津波エネルギーを半減できるというシュミレーションも紹介した。林帯幅200mなら流体力(津波エネルギー)が3割程度減少するとのことだ。
 また津波を受けても根返りしにくい林帯をつくるため、植栽木の生育基盤を造成することとして地下水位などから2〜3m程度の地盤高を確保する盛土が望ましいとした。地盤高が低く、地下水位が低い箇所では樹木の根が地中深くに伸びず、根の緊縛力が弱いことから根返りし、流木化したものが多かった。
 人工盛土の高さは周辺の高さを考慮の上、幹折れ被害を抑制する観点から、箇所ごとに津波エネルギーの減衰を考慮して検討することが望ましい。
 森林の構成については、根系が発達し、直径が太く頑丈な幹を持つ樹木は津波に強く、漂流物の捕捉効果も期待できるとした。
 植栽樹種は例えば、海岸の最前線は、針葉樹ならクロマツ、アカマツなど、広葉樹ならカシワ、トベラなど、陸側は針葉樹ならクロマツ、アカマツなど、広葉樹ならカシワ、タブノキ、コナラ、エゾイタヤなどを提言している。
 検討会は昨年設置。5月21日に第1回を開き、7月に中間報告を取りまとめている。


(関連記事)
「東北に海岸林の再生を」 都内でシンポジウム (2011.07.13)

(2012.02.09)