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地震リスクを証券化  JA共済連

 JA共済連は2月15日、建物更生共済の自然災害リスクに関し、地震による日本国内で発生した損害を対象にした証券化を実施したことを公表した。

 JA共済連では過去2度地震リスクの証券化(キャットボンドの発行)を行っているが、今回のキャットボンド(債権名「Kibou(キボウ)Ltd.)は、東日本大震災により発行金額3億ドル(約240億円)全額の回収となった第2回目のキャットボンド「Muteki」と同様、キャットボンドから回収した資金を建物更生共済の共済金支払財源の一部として充当することができ、JA共済連が積立てている異常危険準備金や海外再保険などと合わせて巨大災害に対する備えを万全にするために実施されたもの。
 今回のキャットボンドは、JA共済連がドイツに本社をおくハノーバー再保険会社と再保険契約を締結して、建物更生共済の地震リスクを同社に移転。JA共済の地震リスクを証券化するためにケイマン諸島に設立された特別目的会社のKibou Ltd.が、投資家に対してJA共済の地震リスクを裏づけとした米ドル建て債権(3年満期、額面3億ドル)を発行し、将来の巨大地震発生に備えた資金を調達する。
 投資家は利回り(5.25%+マネー・マーケット・ファンド利回り)を受取ることができるが、地震で計測された地震動における地表最大化速度に基づいて算出された指数が予め定めたレベルを超える地震が発生した場合には、償還予定元本の一部または全部を減額されるという発行条件が設定されいる。
 なお、前回(平成20年5月)に発行したキャットボンドMuteki Ltd.については、東日本大震災が世界で初めて元本全額回収事由に該当し、発行金額3億ドル全額を回収し、建物更生共済の共済金支払財源の一部に充当された。

(2012.02.17)