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被災地の学校が植物工場 農業復興にも期待  千葉大などが「畑」を共同開発

 千葉大学は(株)みらい、三井不動産、三協フロンティア(株)の3社と、植物工場の学校バージョン「みらい畑」を共同開発し、福島県の富岡町小中学校に設置した。

富岡町小中学校に設置した1台目の「みらい畑」外観 サラダ菜やレタスなどを作りながら、学校で植物工場を活用していく方法を研究し、理科や食育などの分野で授業プログラムを開発していく。
 「みらい畑」は閉鎖型施設の中で人工光源を利用し、無農薬水耕栽培をする植物工場。平成21年に広さ約2坪のタイプを商業施設「ららぽーと柏の葉」に設置。住民の収穫・試食会を開くなど、そのあり方の実証実験をしてきた。
 みらい畑はサイズを1坪にした新型で、今年1月に屋外に1台を設置ずみ。3月にはさらに小型化した学校バージョンを今度は屋内に1台置く。
 富岡町は原発事故のため全域が警戒地域に指定され、町内の小中4校は三春町の工場を使って仮設の統合学校を開いている。
 屋外で植物などと触れ合うことが難しいため、その支援とあわせ、みらい畑の運用を共同で行う。この畑は外気や土壌の影響を受けないため被災地農業の復興にも期待がかかる。
 千葉大は農水省からモデルハウス型植物工場の研修事業を受託しており、昨年から実証実験を展開。
 その1つとして、小型で街のどこにでも設置できる「街中植物工場」について、民間企業とコンソーシアムを組織して研究を進めている。
 今回は教育用植物工場として小中学校での活用の可能性も検証。コンソーシアムとも連携しながら全国の小中学校へ向けた植物工場の普及を進める
 栽培品目はレタス類とハーブ類(水菜、カラシ水菜、バジルなど)。生産量は80〜90株(月産)。


(写真)
富岡町小中学校に設置した1台目の「みらい畑」外観

(2012.02.20)